2021年米国眼科学会 印象記
令和3年11月12日から15日、ニューオリンズで米国眼科学会が開催されました。
新型コロナウイル感染症の流行前は、世界各国から大勢の眼科医が参加する学会でしたが、今年はハイブリッド開催となり、学会終了後に講演がオンデマンド配信されることになりました。
オンデマンド配信は、自分の都合に合わせて聴講することができ、とても便利です。渡米の手間や時間が不要ですし、時差もありません。実際の学会は複数の会場で講演が同時進行しますので、聞きたい講演の時間帯が重なり、聞き逃す講演もありますが、オンデマンド配信ではそのような心配がありません。
日本でも10月開催の日本臨床眼科学会、12月の日本網膜硝子体学会がオンデマンド配信しており、現地に行かずに聴講しています。
今年の米国眼科学会のトピックスの一つは、萎縮型加齢黄斑変性の進行を抑制し、視機能の維持が可能な薬剤の登場です。
免疫反応に関わっている補体の働きを抑える薬剤が、病状の進行を抑制し、視機能を維持することができたという研究結果が報告されました。
現時点では有効な治療法がない萎縮型加齢黄斑変性ですが、高齢者の視機能障害の重要な原因疾患ですので、本疾患に対する治療薬の登場は朗報です。
滲出型加齢黄斑変性に対する治療では、治療間隔の延長が可能な薬剤の報告や、
シリコン製チューブを眼球壁に挿入し、この中に治療薬を注入、6ヶ月毎薬剤をチューブに補充する薬剤投与システムの有用性が取り上げられていました。
滲出型加齢黄斑変性は、定期的・継続的に薬剤を目の中に注射することが、視機能の維持・改善につながります。
薬剤の長期投与が必要ですので、薬効が長持ちし、投与間隔の延長が可能な薬剤や注射に代わる薬剤投与システムの開発が注目されています。
更なる治療の向上を目指し、研究・開発が進められています。臨床現場で使用可能となる日が待ち遠しいです。
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理事長・院長