「見えにくさ」と「家の危険」が重なると、 転倒は一気に増える
2025.12.13 ブログ
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目の中には凸レンズ状の「水晶体」があり、ピント合わせを担っています。この水晶体が濁る病気が白内障です。かすみ・ぼやけ・まぶしさ・視力低下などの症状が出ます。原因で最も多いのは加齢ですが、アトピー性皮膚炎や糖尿病などの全身疾患、ステロイド薬の副作用、外傷でも起こります。
軽度で日常生活に支障がなければ経過観察します。見え方の不自由さが増してきたら、手術が一般的です。手術の時期は生活状況やお仕事・運転の有無などによって異なるため、診察で医師とご相談ください。
白内障手術は機器と手技の進歩により、安全かつ正確に行得るようになりました。通常は眼局所麻酔で、痛みは軽度です。手術中は医師やスタッフの声が聞こえ、会話も可能です。
角膜の小切開(約2~2.5mm)から濁った水晶体を取り除き、眼内レンズを挿入します。特に問題がなければ、手術時間は10~20分程度です。挿入した眼内レンズは取り外す必要がなく、一度挿入すれば半永久的に機能します。
白内障手術では濁った水晶体の代わりに人工のレンズ(眼内レンズ)を挿入します。種類(単焦点/多焦点/焦点深度拡張〈EDOF〉/乱視用〈トーリック〉)や度数は、目の状態と生活スタイル(運転・パソコン・読書・趣味)に合わせて選びます。診察では職業や日常動作の作業距離をうかがい、最適な組み合わせをご提案します。
調節:毛様体筋の働きで水晶体の厚みを変え、近く/遠くにピントを合わせる機能。加齢で低下し、老視の原因になります。
偽調節:眼内レンズ自体の厚みは変わりませんが、眼内レンズのわずかな位置変化などにより、60歳以降に相当する近く/遠くにピントを合わせる機能が得られます。
単焦点:最も鮮明に見える距離は1つです。遠方に合わせると近方は眼鏡(老眼鏡)が、近方に合わせると遠方は遠用眼鏡が必要になります。多くの方が術後に用途別の眼鏡を併用します。
多焦点 / EDOF:眼鏡の使用頻度を減らせますが、暗所でのグレア/ハローやコントラスト低下が起こることがあります。多くは数か月で慣れますが、夜間運転などは注意が必要です。両眼に挿入すると実用性が高まりやすい傾向があります。
作業距離の目安:読書・スマホ=約30〜40cm、ノートPC=約60〜70cm、デスクトップPC=約80cm〜1m、テレビ・屋内移動=約2〜3m。用途に応じてレンズを選択します。
三焦点 / 連続焦点:遠方・中間(約80cm)・近方(約40cm)をカバー。
EDOF(焦点深度拡張):遠方から約60〜70cm(ノートPC距離)を重視。
いずれのタイプにも乱視矯正(トーリック)対応の製品があります。
緑内障で視野障害が進んでいる方、黄斑疾患や角膜混濁がある方では、多焦点 / EDOFレンズの利点が得にくいことがあります。診察で個別に評価します。
2020年4月から「選定療養」の適応となりました。選定療養とは、健康保険適用外の治療を追加費用負担することで、保険適用の治療と合わせて受けることができる制度です。
白内障手術自体は通常の保険適用の手術で受けることができ、多焦点眼内レンズを選択する場合は、多焦点眼内レンズの費用の差額を自費でご負担いただきます。
※以下は多焦点/EDOF/乱視用の材料差額の目安です(片眼・税込、2025年9月現在)。白内障手術そのものの保険診療分(自己負担)は別途必要です。価格・取り扱いレンズは予告なく変更となる場合があります。詳細は診察時にご説明します。