3歳児健診
2024.10.9 ブログ
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糖尿病網膜症は、糖尿病によって網膜の毛細血管(動脈と静脈の間をつなぐ細い血管)が障害されることにより始まる病気です。糖尿病腎症・神経症とともに糖尿病の3大合併症のひとつで、日本では成人の失明原因の第2位となっています。
血糖の高い状態が長く続くと、網膜の毛細血管が少しずつ傷つき、変形したりつまったりします。血管がつまると網膜のすみずみまで酸素が行き渡らなくなり、網膜が酸欠状態に陥ります。その結果、網膜の表面に新しい血管(網膜新生血管)が生えて来ます。網膜新生血管は脆く出血しやすい血管です。さらに網膜新生血管同士をつなぐ線維の膜(線維血管増殖膜)が網膜表面に張ってきます。線維血管増殖膜が収縮し、網膜を引っ張ると網膜が壁から?がれる牽引性網膜剥離を起こすことがあります。黄斑部網膜や視神経乳頭が牽引されると、黄斑や視神経の機能が低下し、視力低下を引き起こします。
糖尿病網膜症は、糖尿病になってから数年から10年以上経過して発症するといわれていますが、進行するまで自覚症状がない場合もあり、まだ見えるから大丈夫という自己判断は危険です。糖尿病の人は目の症状がなくても定期的に眼科を受診し、眼底検査を受けるようにしましょう。
網膜症の発生や進行は、血糖のコントロールの良し悪しと関係がありますが、血糖のコントロールが完全であっても、網膜症が悪化することがあります。しかし全身の管理には血糖のコントロールが大切ですから、内科で治療を十分に受けてください。
糖尿病網膜症は、進行の程度により大きく三段階に分類されます。
レーザー光線で光凝固します。初期の網膜症では、障害されている毛細血管を光凝固し、毛細血管瘤から血液成分が網膜に漏れだすのを抑えます。進行した網膜症に対しては、網膜の酸素不足を解消し、新生血管の発生を予防したり、すでに出現してしまった新生血管を減らしたりすることを目的として行います。光凝固は正常な網膜の一部を犠牲にしますが、全ての網膜が共倒れになるのを防ぐためにはやむを得ません。この治療で誤解を生みやすいのは、今以上の網膜症の悪化を防ぐための治療であって、決して元の状態に戻すための治療ではないということです。まれに網膜全体のむくみが軽くなるといったような理由で視力が上がることもありますが、多くの場合、治療後の視力は不変かむしろ低下します。網膜光凝固術は早い時期であればかなり有効で、将来の失明予防のために大切な治療です。
レーザー治療で網膜症の進行を予防できなかった場合や、すでに網膜症が進行して網膜剥離や硝子体出血が起こった場合に対して行われる治療です。眼球に3つの穴をあけて細い手術器具を挿入し、目の中の出血や増殖組織を取り除いたり、剥離した網膜を元に戻したりします。
進行した増殖網膜症では、線維血管増殖組織が眼内(硝子体と網膜の間)にできており、これが収縮すると網膜を引っ張り、網膜剥離をおこします。また、網膜新生血管が切れ大出血をおこし、血液で眼内(硝子体中)がいっぱいになることもあります。硝子体手術はこれらの線維様物質や血液を取り除きます。
黄斑は網膜の中心にあり、ものを見るために最も重要な部分です。黄斑付近に毛細血管瘤などが多発したり、血管からの血液成分の染み出しが顕著になると、黄斑にむくみ(黄斑浮腫)が生じます。黄斑浮腫は単純糖尿病網膜症でも起こりますが、網膜症の進行に伴い、黄斑浮腫を呈する症例の割合は増えていきます。
下記のような治療法を組み合わせて治療を行います。