第3回札幌糖尿病眼合併症フォーラム
- 9月9日(金)は「第3回札幌糖尿病眼合併症フォーラム」にお招きいただき、
- 「血管内皮増殖因子をターゲットとした糖尿病網膜症治療」と題し、
- 糖尿病網膜症治療のトピックスについて講演しました。
- この講演会は時計台記念病院循環器センターの佐藤勝彦先生らが中心となり、
- 内科の先生の立場から糖尿病眼合併症を考えたり、
- 内科医と眼科医の情報交換の場として企画されました。
- NTT東日本札幌病院糖尿病内分泌内科の永井聡先生は、
- 内科医のお立場から糖尿病網膜症の意義・管理についてご講演下さいました。
- 眼科診察で判明する糖尿病網膜症の有無が
- 内科診療にどのように役立つかについて、以下の三点を挙げられました。
- ・糖尿病罹病期間(糖尿病を患ってから何年経過しているか)の推定に役立つ
- ・糖尿病の進行状況を知ることができる
- ・眼以外の合併症を検索するための意義付けになる
- さらに、治療目標(血糖コントロール)の決定や
- 積極的に全身的な精査をすべき患者であるかの判断に、
- 網膜症の有無は極めて重要であることを強調されました。
- 軽症であっても糖尿病網膜症があると、
- 糖尿病腎症や糖尿病神経症も発症するリスクが高まりますし、
- 心筋梗塞や脳梗塞・脳出血などを発症する頻度も高まります。
- 眼科医は軽症の糖尿病網膜症の患者さんに
- 「網膜症は軽いので定期的に診ていけば視力低下の心配ないですよ。」って
- 説明することが多いのですが、これでは患者さんの
- 「眼以外も検査しておこう」という意欲を削いでしまいそうな気がします。
- 眼科受診後に患者さんが内科診療に積極的に取り組んでいただけるように、
- 患者さんへの説明には十分留意すべきであることを再認識しました。
- 現在のところ、糖尿病は完治する病気ではありません。
- 患者さんは生涯に渡り、血糖コントロールや合併症管理が必要です。
- また、一般的に糖尿病網膜症は重症になるまで自覚症状がありません。
- 糖尿病の罹病期間が長くなるにつれ、糖尿病網膜症の発症頻度が高まります。
- 眼科診察で糖尿病網膜症が認められなくても、
- 半年〜1年毎の眼底検査が推奨されています。
- 糖尿病網膜症は中途失明原因の第2位ですが、
- 適切な時期に治療をすることにより、より良好な視機能の維持が可能になっています。
- 糖尿病の患者さんは眼の症状がなくても網膜症の定期検査をお願いします。
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