加齢黄斑変性の新薬、年内承認申請へ
4月8日、日刊薬業という医薬品産業に関する情報を扱う業界新聞に、「新規加齢黄斑変性薬、年内承認申請へ」という記事が掲載されました。
スイスに本社のあるノバルテイスが、滲出性加齢黄斑変性に対する新たな薬剤の開発を進めており、国際共同臨床試験の結果を受け、年内に厚生労働省に新薬の承認申請をする予定であるとのことです。
順調に行けば、来年にも新薬が承認され、その後、医療現場で新薬の使用が可能になります。
新薬は既存の治療薬と比べ薬の効果が長持ちし、投与間隔が延長するとみられており、眼内注射に伴う患者や付き添い家族の負担が減少すると期待されます。
この薬剤は既存の治療薬よりも眼の組織への移行性が良いことや、全身への副作用が少ないなどの特徴を持っています。
国際共同臨床試験では、治療開始当初は既存の治療薬と同様に月1回、3カ月連続の投与を行い、その後は3カ月に1回の投与することで、治療効果は既存の治療薬と比べ同等かそれ以上であることが確認されました。(比較対照となった既存の治療薬は2カ月毎の投与でした。)
新薬の価格や患者の費用負担について、現時点では決まっていません。
滲出性加齢黄斑変性に対する治療では、経過中に治療を中断する患者の割合が多いことが報告されており、通院の大変さや付き添い家族の負担、費用負担などが理由に挙げられています。
有効で安全な薬剤による治療を、通院や費用などの負担が少なく行えるようになって欲しいです。
カテゴリー
- お知らせ (9)
- ブログ (415)
- iPS細胞 (18)
- IT眼症 (9)
- OCTアンギオ (8)
- アルツハイマー病 (7)
- アレルギー性結膜炎 (5)
- お困りごと解決情報 (17)
- こんな症状が出たら (34)
- サプリメント (13)
- スタッフから (5)
- ドライアイ (16)
- 中心性漿液性網脈絡膜症 (2)
- 人工知能(AI) (14)
- 加齢黄斑変性 (101)
- 外斜視 (1)
- 抗がん剤による眼障害 (1)
- 白内障 (19)
- 看護からのお知らせ (1)
- 眼精疲労 (12)
- 糖尿病網膜症 (45)
- 紫外線 (2)
- 紫外線、ブルーライト (6)
- 網膜前膜 (3)
- 網膜剥離 (14)
- 網膜動脈閉塞 (7)
- 網膜色素変性症 (7)
- 網膜静脈閉塞 (11)
- 緑内障 (26)
- 色覚多様性 (2)
- 講演会 (27)
- 近況報告 (82)
- 近視予防 (39)
- 飛蚊症・光視症 (14)
- 黄斑円孔 (4)
- 黄斑前膜 (3)
- 未分類 (9)
アーカイブ
最新の記事
- 2025.6.16
- GLP-1受容体作動薬と加齢黄斑変性との意外な関係
- 2025.6.9
- 糖尿病黄斑浮腫に対する抗VEGF治療が効きにくい時、網膜前膜がカギかもしれません
- 2025.6.2
- テレビ・新聞で話題に!スマホやPC作業による“目の不調”、ご存じですか?
- 2025.5.27
- 「加齢黄斑変性」と“炎症”の深い関係
- 2025.5.21
- 「近視」と血液の関係? 血中成分からわかる“近視のなりやすさ”?
- 2025.5.11
- 「目の健康に!オメガ3脂肪酸が加齢黄斑変性(AMD)を防ぐかも?」
- 2025.4.30
- 小児近視進行抑制治療(リジュセア®ミニ点眼液0.025%)に関するよくあるご質問
- 2025.4.30
- 低濃度アトロピン点眼薬(リジュセアミニ点眼液)による近視進行抑制治療を開始します
- 2025.4.27
- 小児近視に対する赤色光治療に関する最新研究のご紹介
- 2025.4.23
- 新生血管型加齢黄斑変性の治療間隔ってどうやって決めてるの?