視野欠損・複視・脳外科
以前のブログで、眼の症状がきっかけで脳の病気が見つかることがあることを紹介しました。
当院が入居するビルには、ご高名な脳外科の先生も入居されており、1階にはMRIがあります。
当院を受診された患者さんで脳の病気が疑われる場合は、同ビルの脳外科の先生に診察を依頼しています。
先日立て続きに2名の患者さんを脳外科に紹介し、いずれも治療を要する病気が見つかったのでご紹介します。
一例目は「昨晩、突然視野が欠け、今も持続している」と訴え受診された80歳代の男性で、視野が欠けたこと以外の自覚症状は全くありませんでした。
視力は両眼とも良好で、年齢相応の白内障と動脈硬化を示唆する網膜血管の所見はあるものの、視野欠損が生じる目の病気はありませんでした。
視野検査では、右目の鼻側と左目の耳側の視野に見えない部分があり、
後頭葉(目からの視覚情報を認識する領域がある脳)の脳梗塞が疑われました。
脳外科の先生に診察をお願いしたところ、MRIで後頭葉の脳梗塞が見つかり、脳梗塞に対する治療が開始されました。
この患者さんが来院された翌日、80歳代の女性が「1ヶ月程前から物が二つに見えるようになった。片目をつぶると一つに見える。」という主訴で来院されました。
この患者さんも視力は良好で、目の中には明らかな病気はありませんでした。
両目の動きを検査すると、右目の上方や鼻側への動きがやや悪くなっており、複視(両目で見ると物が二つに見える)の原因となっていました。
眼球を動かす神経は脳で制御されているので、この働きを司る領域の脳に病気が起こると複視が生じます。
そこで脳外科の先生に診察をお願いしたところ、MRIで脳に明らかな異常を認めませんでしたが、右眼球の奥に袋状の出来物が見つかり、これが右眼球の動きを妨げ、複視の原因となっていることが判りました。
脳に近い目の奥の出来物ですので、脳外科の先生が出来物の摘出を担当してくださることになりました。
この患者様は、目の疲れで物が二つに見えるのだろうと思っていたそうです。
自己判断せず、気になる目の症状があれば、眼科医にご相談ください。
カテゴリー
- お知らせ (18)
- ブログ (459)
- iPS細胞 (19)
- IT眼症 (9)
- OCTアンギオ (9)
- アルツハイマー病 (8)
- アレルギー性結膜炎 (5)
- お困りごと解決情報 (17)
- こんな症状が出たら (35)
- サプリメント (15)
- スタッフから (5)
- ドライアイ (17)
- 中心性漿液性網脈絡膜症 (2)
- 人工知能(AI) (15)
- 加齢黄斑変性 (113)
- 外斜視 (1)
- 抗がん剤による眼障害 (2)
- 白内障 (25)
- 看護からのお知らせ (1)
- 眼精疲労 (12)
- 糖尿病網膜症 (53)
- 紫外線 (2)
- 紫外線、ブルーライト (6)
- 網膜前膜 (3)
- 網膜剥離 (17)
- 網膜動脈閉塞 (8)
- 網膜色素変性症 (7)
- 網膜静脈閉塞 (13)
- 緑内障 (32)
- 色覚多様性 (2)
- 講演会 (28)
- 近況報告 (85)
- 近視予防 (42)
- 飛蚊症・光視症 (16)
- 黄斑円孔 (5)
- 黄斑前膜 (3)
- 未分類 (11)
アーカイブ
最新の記事
- 2026.5.4
- 5月1日、開業から10年が経ちました
- 2026.4.20
- 令和8年5月20日(水)診療について
- 2026.4.20
- 令和8年ゴールデンウイークの休診について
- 2026.4.19
- 「加齢黄斑変性は静かに増え続けている」―日本の大規模データが示した“見えない現実”―
- 2026.4.12
- 黄斑円孔の“特徴的なゆがみ”
- 2026.4.5
- 「目の検査で認知症がわかる?」最先端AI研究が示す新しい可能性
- 2026.3.29
- ご依頼いただいた原稿が「眼科ケア 4月号」掲載されました
- 2026.3.23
- 硝子体出血は「様子を見る」べきか それとも手術か
- 2026.3.16
- 3月25日(水)・4月18日(土)の診療について
- 2026.3.15
- たばこと加齢黄斑変性 ― 日本の30年データが教えてくれること
令和8年5月20日(水)診療について
2026.4.20 お知らせ
令和8年ゴールデンウイークの休診について
2026.4.20 お知らせ



理事長・院長