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網膜色素変性症

  • 5月21日(日)、「色変・ひまわりの会 北海道支部」にお招きいただき、iPS細胞を中心に網膜再生医療について講演して参りました。
 
  • 人の体は約60兆個、270種類の細胞から出来上がっていること、
  • 多種類の細胞に変化する能力を有する細胞を幹細胞と呼び、
  • iPS細胞は人工の(ヒトがつくりだした)幹細胞であること、
  • 加齢黄斑変性の患者さんに世界で初めてiPS細胞から作った網膜色素上皮細胞を自家移植、他家移植されたことなどについて解説いたしました。
 
  • 「色変」は網膜色素変性症という目の病気の略称です。
  • 網膜色素変性症の患者さんは4,000人から8,000人に一人いらっしゃると言われています。
 
  • 目の中の視細胞と言う光を受け取る細胞、あるいは視細胞をサポートする役目を持つ色素上皮細胞が、遺伝子の間違いによって働きが悪くなっていく病気です。
  • 働きが悪くなった視細胞は光を感じることができず、その部分の視野が見えなくなります。
  • 色素上皮細胞の働きが悪くなると、やがて視細胞も影響を受け、視細胞が光を感じることができなくなります。
 
  • 暗い所で見えない(夜盲、やもう)、視野が狭くなる(視野狭窄)などの症状が現れます。
 
  • 視野狭窄には幾つかのパターンがありますが、
  • 輪状暗点と言う「視野の中心部は見えるが、周囲は見えない」視野狭窄が特徴的です。ドーナツの輪の中から外を見ている様な感じです。
  • ドーナツの輪の見えない部分は、通常外側に広がりますが、中心部の視野は保たれますので、視力は良好です。
  • 視力は良いのですが、視野が狭いため生活に支障を来します。
  • ごく稀に、ドーナツ状の見えない部分が中心に向かって広がり、視力が低下する患者さんがおられます。
 
  • 患者さんによって個人差がありますが、一般的に症状の進行は遅く、1年後の検査では症状の悪化を確かめることはできず、5年ぐらい経過して、ようやく視野狭窄の進行が少し確認されるくらいです。
 
  • 残念ながら現時点では、網膜色素変性症を完治させる治療法はありません。
  • ビタミンAやその類似物質の内服薬がありますが、効果はわかっていません。
 
  • 1日も早い治療法の確立が切望されており、
  • 世界中の研究者が様々な角度から治療の研究を行っています。
 
  • 今回の私の講演では、働きが悪くなった網膜機能を再生させる治療法として、昨今注目を集めているiPS細胞について解説しました。
  • 本疾患に対するiPS細胞の応用に向けては、乗り越えなければならない幾つかの問題点があることについて言い添えました。
 
  • ただ網膜色素変性症に対する治療は、他にも遺伝子の間違いを補正する遺伝子治療や、
  • 細胞の働きが悪くなるのを遅らせるタンパク質を目の中で量産させる治療、
  • 小型カメラを網膜や脳とつないで視機能を改善させる治療など、
  • 最先端の知識や技術が治療法の確立に向け応用されています。
 
  • そう遠くない将来に何らかの治療法がでてくるものと期待されています。

ひきち眼科HIKICHI EYE CLINIC 理事長・院長引地 泰一

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