角膜内皮細胞移植-京都府立医大
- 2017.6.5
- ブログ
- 5月31日、京都府立医科大学付属病院は、角膜内皮細胞が減少し、透明な角膜が混濁することが原因で視機能が低下する水疱性角膜症の患者に、培養した他人の角膜内皮細胞を移植し、失われた角膜の透明性を再生させる治療を実施し、2020年をめどに保険適応を目指すと発表しました。
- 治療方法は、①提供いただいた角膜から角膜内皮細胞を培養し、細胞の数を増やす、②患者の角膜内皮面の細胞を薬剤等で取り除いた後、培養した角膜内皮細胞の入った液体を、角膜内皮に面したスペース(前房)に注入する、というものです。

- 角膜内皮細胞は角膜の最も内側にあり、角膜の水分を一定に保ち、角膜の透明性を維持する細胞です。
- 角膜内皮細胞は増殖しないことが知られており、病気や手術などによって障害され、角膜内皮細胞の数が著しく減少すると、角膜の水分量が増え透明性を維持することができなくなります。
- この状態が水疱性角膜症で、角膜混濁による視覚障害の主要な原因となっています。
- 水疱性角膜症に対する唯一の治療法は、ご提供いただいた角膜を用いた角膜移植術で、角膜内皮を取り換えるしか有効な治療法がありません。
- しかし、角膜移植は角膜の提供者が少なく、手術侵襲も大きく、拒絶反応も起こりえるなどの問題があります。
- 今回の治療方法は、従来の角膜移植の代替となり得ること、ご提供いただいた1眼から数千人への移植が可能になること、何より治療手技が簡単で眼の負担も極めて少ない点も大きな利点です。
- この治療法が認可されると、どの施設でも角膜の再生医療を行える時代が到来すると思います。
- 欧米では人口の約5%が水疱性角膜症の潜在的な患者だと報告されています。
- 世界中の患者さんにとっても朗報であると期待されます。
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理事長・院長