診療予約専用 011-788-2210

お問い合わせ 011-708-1010

月~土 午前 9:00~12:00/月・木 午後 14:00~17:30
手術日 火・金の午後 / 休診日 日曜・祝日

交通アクセス [札幌駅徒歩3分]
交通アクセス

閉じる

ウェブ予約

糖尿病治療薬SGLT2阻害薬は糖尿病網膜症の進行を抑える効果がある

エンパグリフロジン(商品名:ジャディアンス)はSGLT2阻害薬で、尿への糖排泄を促進することで血糖値を下げる効果があります。また腎臓や心臓機能を保護する効果もあり、2型糖尿病、慢性心不全、慢性腎臓病の治療に用いらています。

さらにSGLT2阻害薬は体重を減少させる効果もあります。

先日、JAMA Ophthalmology電子版に、エンパグリフロジンが糖尿病網膜症の進行を抑える効果があるというハーバード大学の研究チームの論文が掲載されました。

この研究はSGLT2阻害薬(エンパグリフロジン)の糖尿病網膜症への治療効果を検証するために、糖尿病治療薬のDDP-4阻害薬(DDP-4はインスリン分泌を促すインクレチンというホルモンを分解する酵素で、この作用を抑えることでインスリン分泌が促進され血糖値が下がります)を比較対象とし、

医療保険の診療情報を調査し、約3万4千人を対象に糖尿病網膜症の発症頻度を、約7,800人を対象に糖尿病網膜症進行の頻度を、SGLT2阻害薬服薬症例とDDP-4阻害薬服薬症例とで比較検討しました。

その結果、平均8ヶ月の経過観察期間中に新たに糖尿病網膜症を発症した頻度は双方の薬剤に差を認めませんでしたが、

糖尿病網膜症の進行はSGLT2阻害薬を服薬することで、DDP-4阻害薬服薬症例と比べ、進行リスクを22%下げる効果が確認されました。

今回のJAMA Ophthalmologyの論文には、編集者がオーストラリアの糖尿病研究者にコメントを求めており、論文と同時に電子版にコメントが掲載されました。

コメントはなかなか辛口です。一般的にDDP-4阻害薬を服用する糖尿病患者はSGLT2阻害薬が投与される症例よりも種々の全身合併症を有している傾向があるため、糖尿病網膜症が進行しやすい全身状況にあった可能性を指摘しています。

さらに、SGLT2阻害薬の方がDDP-4阻害薬よりも血糖値を低下させる効果が強いため、薬剤の特性というよりは良好な血糖コントロールが糖尿病網膜症の進行を抑制した可能性も指摘しています。

また、高脂血症の治療薬であるフェノフィブラートが糖尿病網膜症の進行リスクを26%下げることが報告されていることを挙げ、エンパグリフロジンもフェノフィブラートもさらなるデータの集積が必要であること、内服薬が糖尿病網膜症の治療薬となるには糖尿病内科医と糖尿病網膜症を管理する眼科医との連携が必要であることを指摘しています。

糖尿病の治療薬で糖尿病網膜症の進行が抑制できるのなら、一石二鳥でとても有益です。

SGLT2阻害薬の糖尿病網膜症に対するデータの集積が待たれます。

カテゴリー

アーカイブ

最新の記事

2026.7.5
STVでもお話ししましたが…夏は「皮膚」だけでなく「目」も紫外線対策を
2026.6.28
全国の眼科医が集まる「日本眼科医会代議員会」に参加しました
2026.6.21
強い近視の方は緑内障に注意? ― 日本1400万人超の大規模研究からわかったこと
2026.6.14
「視力は良いのに見えにくい」― 網膜前膜で最初に低下するのは“読む力”かもしれません
2026.6.6
見えないところこそ大切に ― 手術室の空気環境を毎年確認しています
2026.5.31
白内障手術と同時に行う「iStent inject W」とは? ─ 最近の研究から見えてきたこと
2026.5.24
網膜の神経を守る“縁の下の力持ち” ― ミュラー細胞と新しい網膜保護の考え方
2026.5.16
「治療を休むと戻らない」―糖尿病黄斑浮腫で本当に怖いこと―
2026.5.14
眼瞼下垂に対するアップニーク®ミニ点眼液について
2026.5.9
「高い枕は目に良い?」― 緑内障と寝る姿勢の意外な関係

ひきち眼科HIKICHI EYE CLINIC 理事長・院長引地 泰一

〒060-0807 北海道札幌市北区北七条西5-7-1札幌北スカイビル14階
JR札幌駅西口、または北口から徒歩3分
ヨドバシカメラ様より北向かいのビルの14階になります。

診療予約専用011-788-2210

お問い合わせ011-708-1010

受付時間
診療受付
9:00~12:00 -
14:00~17:30 - - -

▲は手術日になります。また日曜・祝日は休診となります。