内服薬で“黄斑”が傷む?最新研究が示した5つの要注意薬と上手なつきあい方
2025.11.8 ブログ 抗がん剤による眼障害 未分類
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「糖尿病だけど、今のところ目には異常なし」
そう言われてホッとされた方もいらっしゃるかと思います。ですが、実は「異常なし」と言われても、目の中の網膜では静かに変化が始まっていることがあります。
糖尿病網膜症は、糖尿病の合併症の中でも特に視力に関わる重大な病気です。進行すると、視界の歪みやぼやけ、視力の低下につながることがあります。
実は、眼底検査や一般的な眼底カメラで網膜症の眼底所見が見つかるよりもずっと前から、網膜の細かい血管には変化が起きていると考えられています。
今回の研究では、OCTA(光干渉断層血管撮影)という画像検査機器を使って、網膜毛細血管の血流を詳しく観察しました。OCTAは、非接触・無侵襲で目の中の血管を三次元的にとらえることができる検査機器です。
特に注目したのは、網膜にある3層の毛細血管ネットワークのうち、深層毛細血管網で、光刺激の情報を視神経に伝える働きを担っていて、酸素をたくさん消費する網膜細胞がたくさん分布する絵用域の網膜を栄養しています。
研究では、糖尿病があってもまだ網膜症のない人、すでに軽度の網膜症がある人、そして健康な人(の3つのグループを比較しました。
その結果、従来の2D画像では“異常なし”とされた糖尿病患者さんの網膜に、3Dで見ると血流の不足(=虚血)が確認されました。
特に、血管から20μm以上離れた場所を「酸素が届きにくい=虚血」と定義した場合、網膜の深層毛細血管網で虚血領域が有意に広がっていることがわかりました。
通常のOCTAでは、画像を平面、すなわち2Dで見るため、重なった血管や奥行き方向の情報が見えにくくなってしまいます。今回の研究では、立体的な3D画像を用いたことで、血流の届きにくい場所がより正確に把握できるようになったとのことです。
これにより、糖尿病が網膜に与えるごく初期の影響を捉える感度が改善される可能性が示唆されました。
今回の研究はまだ検査技術レベルの話ですが、将来的には:
といった可能性があります。
このような新技術が実用化されるまでにも、私たちが日常でできることはたくさんあります。
当院では、糖尿病網膜症に対する健診・治療に力を入れており、必要に応じてOCT(光干渉断層計)やOCTA検査を用いた詳細な評価を行っています。