診療予約専用 011-788-2210

お問い合わせ 011-708-1010

月~土 午前 9:00~12:00/月・木 午後 14:00~17:30
手術日 火・金の午後 / 休診日 日曜・祝日

交通アクセス [札幌駅徒歩3分]
交通アクセス

閉じる

ウェブ予約

ファリシマブ:滲出型加齢黄斑変性・糖尿病黄斑浮腫の治療新薬 

6月10日、中外製薬は滲出型加齢黄斑変性と糖尿病黄斑浮腫に対する治療薬ファリシマブの承認申請を厚生労働省に行いました。

ファリシマブは、このブログで何度か取り上げた注目の薬剤で、従来の治療薬を上回る効果と投与間隔の延長が期待されています。

ファリシマブは、滲出型加齢黄斑変性や黄斑浮腫などの病気を引き起こす

アンギオポエチン2(Ang-2)と血管内皮増殖因子(VEGF)の両方の働きを抑制する薬剤です。

アンギオポエチン2と血管内皮増殖因子は、血管構造を不安定化させ、

血管壁が脆くて出血しやすくなったり、血管内の成分が血管から周囲に漏れ出しやすくなったり、炎症を誘発する作用があります。

現在使用されている滲出型加齢黄斑変性や糖尿病黄斑浮腫に対する治療薬は、血管内皮増殖因子の働きのみを抑制する薬剤で、長期間に渡り、繰り返し眼内に薬剤を注射する必要があります。

繰り返しの眼内注射は負担が大きいため、投与回数を減らし良好な視機能を維持することが治療の課題となっており、この課題を克服するための薬剤としてファリシマブが注目されています。

ファリシマブは、アンギオポエチン2と血管内皮増殖因子の2つの作用を遮断することで血管構造を安定化させ、病的血管の形成(血管新生)や血管内の成分が周囲に漏れ出しやすくなる(血管透過性亢進)を抑制します。

ファリシマブの有効性と安全性を検証した国際共同臨床第3相試験では、

滲出型加齢黄斑変性と糖尿病黄斑浮腫のいずれの疾患に対しても、ファリシマブで治療した症例の約半数が、4か月毎の薬剤投与で良好な治療成績を得ることができ、約4分の3の症例で、薬剤投与間隔を3か月以上に延長することができ、既存の薬剤を2か月間隔で投与した症例の治療成績と差を認めませんでした。

ファリシマブは既存薬剤と比べ投与間隔の延長が可能で、治療回数を減らすことができる薬剤です。

通院の回数も減りますので、患者様のみならず、通院に付き添われるご家族の負担軽減も期待できます。

ファリシマブの承認が待たれます。

カテゴリー

アーカイブ

最新の記事

2025.10.2
眼科疾患のリスク因子、診断・治療・予後の検討のための後ろ向き観察研究
2025.9.27
「進行は止められるのか?」─地図状萎縮の新治療と、患者たちの選択
2025.9.20
萎縮型加齢黄斑変性に治療薬「アイザベイ」
2025.9.12
見え方をデザインする白内障手術――テクニス「オデッセイ」「ピュアシー」のご案内
2025.9.7
サプリメントを“医療”として正しく使う―眼科で効くもの・効かないもの、そして注意点
2025.9.5
電子処方箋がはじまります
2025.8.28
目の健康で人生が変わる:世界報告の要点と私たちにできること
2025.8.23
「注射の回数を減らしながら、見え方を守る」—VEGFを長く抑えるという発想
2025.8.17
新登場目前 “症状そのもの”に効くドライアイ薬と、“水はけ”を良くする緑内障薬
2025.8.10
「見える」をもう一度:HOPE Meeting vol.4で感じた視機能再建の現在地

ひきち眼科HIKICHI EYE CLINIC 理事長・院長引地 泰一

〒060-0807 北海道札幌市北区北七条西5-7-1札幌北スカイビル14階
JR札幌駅西口、または北口から徒歩3分
ヨドバシカメラ様より北向かいのビルの14階になります。

診療予約専用011-788-2210

お問い合わせ011-708-1010

受付時間
診療受付
9:00~12:00 -
14:00~17:30 - - -

▲は手術日になります。また日曜・祝日は休診となります。