「見えているから大丈夫」は本当? -高齢者の3人に1人が気づかない目の病気を抱えている-
年齢を重ねると、「最近、少し見えにくいけれど、年のせいかな」と感じることは珍しくありません。
一方で、「特に困っていないから、眼科には行っていない」という方も多いのではないでしょうか。
しかし最近、アジアの高齢者を対象にした大規模な研究から、驚くべき事実が明らかになりました。
それは、60歳以上の約3人に1人が、目の病気を抱えているにもかかわらず、診断されていなかったということです。
どんな病気が見逃されているのか
この研究では、60歳以上を対象に、眼科医が詳しい検査を行いました。
その結果、次のような病気が、本人も気づかないまま進行しているケースが非常に多いことがわかりました。
・加齢黄斑変性
・糖尿病網膜症
・白内障
・緑内障
特に驚くべきなのは、加齢黄斑変性や糖尿病網膜症では、約9割が未診断だったという点です。
これらの病気は、初期にはほとんど自覚症状がないため、気づかれにくいのです。
なぜ「未診断」が問題なのか
「今は見えているから問題ない」と思われるかもしれません。
しかし、研究では、未診断の目の病気を持つ人ほど、生活の質が低下していることが示されました。
・見え方に不安を感じやすい
・転倒しやすくなる
・外出や社会活動が減る
・気分の落ち込みや不安が強くなる
さらに、意外なことに、目の病気が診断されていない人ほど、医療費が多くかかっていたことも報告されています。
これは、視力低下に伴う事故や生活機能の低下が、他の病気やケガにつながっている可能性を示しています。
誰が見逃されやすいのか
研究では、未診断の目の病気と関係するいくつかの特徴も明らかになりました。
・「まだ若い高齢者」(60代前半)
・眼鏡店で視力チェックはしているが、眼科を受診していない
特に、「眼鏡をかけているから大丈夫」「最近メガネを作り直したから安心」と思っている方ほど、眼科での詳しい検査を受けていないケースが多いことが示唆されています。
診断されている人との大きな違い
同じ目の病気があっても、すでに診断され、定期的にフォローされている人では、
・見え方の不自由さが少ない
・生活の質が保たれている
・不安が少ない
という違いが見られました。
つまり、「病気があるかどうか」よりも、「気づいているかどうか」が大きな差を生むのです。
目の病気は「症状が出てから」では遅いことも
多くの目の病気は、見えにくくなってから受診した時には、すでに進行していることがあります。
今回の研究は、目の病気は「見えなくなってから見つかるもの」ではなく、
「見えているうちに見つけるべきもの」
であることを、はっきりと示しています。
おわりに ― 目の健康を守るために
この研究が伝えている最も大切なメッセージは、とてもシンプルです。
「見えているから大丈夫、と思わないこと」
60歳を過ぎたら、症状がなくても、定期的に眼科で検査を受けることが、将来の見え方や生活の質を守ることにつながります。
目は、一生使い続ける大切な感覚器です。
「まだ困っていない今こそ」、一度ご自身の目の状態を確認してみてはいかがでしょうか。
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