チョコレートが心筋梗塞のリスクを低下させる
欧州心臓病学会の機関誌であるEuropean Journal of Preventive Cardiologyに
チョコレートの摂取で心筋梗塞のリスクが低下するという米国ヒューストンのベイラー医科大学からの論文が掲載されました。
この論文は、過去に報告された複数の論文のデータを集積し、総括的に評価するメタ解析という手法を用いて、チョコレートの摂取量と心筋梗塞の発症頻度について解析しました。
メタ解析を用いることで研究対象の症例数が多くなり、比較的小さな変化も検出しやすくなる利点があります。
論文では1週間に1回あるいは1ヶ月に3.5回よりも多い頻度でチョコレートを食べる人は、心筋梗塞の発症リスクが明らかに低いことが明らかにされました。
チョコレートには心臓や血管を保護する作用の栄養素が含まれています。
カテキン、エピカテキンなどのフラバノール(カカオフラバノール)が豊富に含まれており、血が固まり易くなるのを抑え、血管の内側を裏打ちする細胞の機能を改善させます。
カフェインに代表されるメチルキサンチン類も含まれており、心血管機能に良い効果があります。
ステアリン酸には、血を固まらせる作用のある血小板の数を減らす効果があります。
さらにチョコレートに含まれるポリフェノールは一酸化窒素合成酵素の働きを高めます。
一酸化窒素は、血管を拡張させ血圧を下降させる作用や、血小板の凝集を抑え血管が詰まるのを予防する働きをしています。
しかしながらチョコレートの食べ過ぎは、糖質・脂質の取り過ぎやカロリーオーバーを招きますので、要注意です。
株式会社明治のホームページによると、板チョコ3〜5片が一日の推奨摂取量とされています。
網膜動脈閉塞症と網膜静脈閉塞症は網膜血管が詰まり、視機能が障害される病気です。虚血性視神経症は視神経を栄養する血管が詰まり、視神経の働きが障害される病気です。
これらの目の病気に対するチョレートの効果について、現時点では定かではありませんが、ダークチョコレートを食べると視機能が向上し、その効果はミルクチョコレートよりも大きいという研究が報告されています。
美味しいチョコレートが健康にも目の働きにも良いのは嬉しいですね。
カテゴリー
- お知らせ (31)
- ブログ (308)
- iPS細胞 (17)
- IT眼症 (8)
- OCTアンギオ (3)
- アルツハイマー病 (5)
- アレルギー性結膜炎 (4)
- お困りごと解決情報 (16)
- こんな症状が出たら (31)
- サプリメント (11)
- スタッフから (5)
- ドライアイ (12)
- 中心性漿液性網脈絡膜症 (2)
- 人工知能(AI) (11)
- 加齢黄斑変性 (69)
- 外斜視 (1)
- 抗がん剤による眼障害 (1)
- 白内障 (14)
- 看護からのお知らせ (1)
- 眼精疲労 (11)
- 糖尿病網膜症 (29)
- 紫外線 (1)
- 紫外線、ブルーライト (6)
- 網膜前膜 (2)
- 網膜剥離 (12)
- 網膜動脈閉塞 (5)
- 網膜色素変性症 (6)
- 網膜静脈閉塞 (6)
- 緑内障 (20)
- 色覚多様性 (2)
- 講演会 (24)
- 近況報告 (68)
- 近視予防 (22)
- 飛蚊症・光視症 (12)
- 黄斑円孔 (4)
- 黄斑前膜 (2)
- 未分類 (8)
アーカイブ
最新の記事
- 2023.3.21
- 飛蚊症と網膜裂孔・網膜剥離
- 2023.3.11
- アルコール摂取と白内障
- 2023.3.8
- 院内でのマスク着用継続をお願いいたします
- 2023.3.5
- 赤色光治療:近視進行予防
- 2023.2.26
- コロナワクチンと眼炎症性疾患
- 2023.2.19
- アムスラーチャートと滲出型加齢黄斑変性
- 2023.2.12
- 糖尿病網膜症:予防治療よりも定期検査 DRCR.netプロトコールW研究結果
- 2023.2.5
- ヒドロキシクロロキン網膜症
- 2023.1.29
- 令和5年2月1日よりオンラインでの診察予約が可能となります
- 2023.1.29
- 加齢黄斑変性とシャルル・ボネ(チャールズ・ボネット)症候群