ダークチョコレートが視機能を向上
- 「ダークチョコレートを食べると視機能が向上し、その効果はミルクチョコレートよりも大きい」という研究結果がJAMA Ophthalmologyに掲載されました。
- JAMA Ophthalmologyは眼科領域の学術雑誌の中で評価が高く、信頼性の高い論文が掲載されます。
- 研究の対象者は健康な成人30名で、平均年齢は26歳でした。
- フラボノイド(ポリフェノールの一種)が316mg入ったダークチョコレートか
- フラボノイド40mg含有のミルクチョコレートを食べ、
- 食べる前と食べた2時間後に視力などの視機能検査を行いました。
- この3日後、ダークチョコを食べた人はミルクチョコを、ミルクチョコを食べた人はダークチョコを食べ、同様の視機能検査を行い、ダークチョコとミルクチョコの効果の違いを検討しました。
- その結果、どちらのチョコを食べても視力やコントラスト感度が向上し、
- 特にダークチョコはミルクチョコと比べ視機能向上が顕著であったと報告しています。
- フラボノイドによる血流量の増加が視機能向上につながったと研究者たちは推測しています。
- フラボノイドなどのポリフェノールという物質には、強い抗酸化作用があり、
- 動脈硬化などの生活習慣病の予防や血流改善などの効果があります。
- 比較的短時間で作用効果が現れますが、長時間の持続効果はありません。
- 今回の研究はとても興味深く、「ダークチョコを食べると目が良くなる」という印象です。
- ただ、研究対象者が健康な若者30名と少ないこと、摂取後2時間以降も向上した視機能が持続するかについては不明であること、
- 今回認められた視機能の向上が日常生活においてどの程度有意義であるかについても検討を要するなど、課題があるかと思います。
- チョコレートは何より美味しいですし、健康にも良いし、目の働きにも良さそうです。
- ただ、カロリーや糖質の摂り過ぎは万病の元。「過ぎたるは及ばざるが如し」。ご留意ください。
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理事長・院長