萎縮型加齢黄斑変性の治療候補薬、有効性確認できず
- 萎縮型加齢黄斑変性は、加齢に伴い黄斑部(網膜の中央部)の視細胞や色素上皮細胞、これらの細胞を栄養する脈絡膜毛細管板が徐々に脱落する病気です。
- 黄斑部の機能低下が経年的に進行するため、視野の中心付近に見えない部分が出現し、徐々に拡大するとともに視力が低下します。
- 脈絡膜新生血管が生じる滲出型加齢黄斑変性の患者さんは、50歳以上の日本人の0.6%と報告されています。
- 萎縮型加齢黄斑変性は0.2%で、滲出型よりは患者さんの頻度は少ないのですが、それでも500人に1人が患者さんです。
- 萎縮型加齢黄斑変性の発症・進行には、色素上皮細胞が作る代謝産物の蓄積が、色素上皮細胞の機能低下・脱落を招くことが知られています。
- この代謝産物の産生を抑える薬剤(emixustat)が、萎縮型加齢黄斑変性の進行を抑制するかについて検討され、その結果がアメリカ眼学会の機関誌Ophthalmologyの電子版に掲載されました。
- 萎縮型加齢黄斑変性508人を、emixustatを内服するグループと無治療のグループに分け、2年間の経過を観察しました。
- 残念ながら、萎縮病巣の拡大についてemixustat内服グループと無治療グループの間に差は認められず、本薬剤の有効性は確認されませんでした。
- 萎縮病巣の出現・進行には様々な要因が関与しており、一つの要因のみを抑制するだけでは十分な効果が得られなかった可能性があると論文では考察しています。
- 現在のところ、萎縮型加齢黄斑変性に対する有効な治療法はありませんが、複数の薬剤が治験段階にあります。
- それらの治験の結果が待たれるところです。
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