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滲出型加齢黄斑変性の治療新薬、使用開始

昨年のブログで紹介いたしました滲出型加齢黄斑変性に対する新たな治療薬の使用が、本邦においても令和2年5月25日から可能となり、当院でも患者様への投与を開始しております。

新たな治療薬はブロルシズマブ(商品名ベオビュ)という薬剤で、まず1カ月毎、連続3回眼内に注射し、その後は通常3カ月毎眼内に注射します。症状により投与間隔を調整しますので、患者様によっては投与間隔が3カ月ではなく、2カ月あるいは2.5カ月という場合もあります。

ブロルシズマブは現在治療に使われている薬剤と比べ、網膜や脈絡膜への薬剤移行が良く、かつ10〜20倍の高い濃度での眼内投与が可能です。

たくさんの薬剤を眼内に投与できるため、薬剤効果が長期間持続します。

その結果、投与間隔の延長や投与回数の減少、受診回数を減らすことができます。

ブロルシズマブは日本人を含む滲出型加齢黄斑変性患者を対象とした国際共同臨床試験などで、有効性と安全性が確認されました。

海外では、2019年10月に米国、2020年2月に欧州で承認されたのをはじめ、2020年3月の時点で世界28カ国で承認されています。

滲出型加齢黄斑変性は、視力の最も大切な網膜の中心部分である黄斑の下に、異常な血管(脈絡膜新生血管)が形成される病気です。この脈絡膜新生血管は破れやすく、出血や血液の液性成分が浸み出すことで、正常な網膜構造が乱れ損傷を引き起こします。

初期症状として、変視症(物の歪み)や中心暗点(視野の中心部分が見えにくくなる)が生じ、視力が低下します。

病気が進行するにつれて、網膜の細胞障害が進み、視力の質がさらに低下します。このような進行によって視野の中心が完全に見えなくなると、新聞や本を読んだり、運転したり、身近な人の顔を識別することが難しくなりますので、早期診断・早期治療が不可欠です。

滲出型加齢黄斑変性の治療は、早期治療とともに長年の継続も必要です。

治療の中断は病状の再発を招き、治療を再開しても視機能が十分に改善しないことがあります。

長期の治療・通院は患者さんにとっても、付き添われるご家族にとっても負担です。

治療間隔の延長で治療回数・通院回数が減りますので、患者さんやご家族の負担減少に直結します。

ブロルシズマブへの期待は大きいです。

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