日本最古の眼科専門医療機関
- 2019.5.7
- ブログ
新元号「令和」がスタートしました。
ご存知のように令和は万葉集の一節を典拠としています。
万葉集は奈良時代末期(西暦780年頃)に成立した最古の和歌集です。
日本の眼科診療の歴史の始まりは、万葉集の編纂に遅れること約20年、802年にまでさかのぼります。
名古屋市の西隣り、愛知県大治町にある「明眼院」と言う天台宗のお寺が、日本最古の眼科専門の医療機関であると言われています。
(お寺ですので、現在、医療行為は行われていません)
802年、天台宗の開祖である最澄の弟子の聖円が、馬嶋村と呼ばれていた大治町に「五大山安養寺」を建立したのが、「明眼院」の始まりとされています。
12世紀前半、南北朝時代の騒乱の中、戦火で五大山安養寺が焼失しました。
その後、清眼と言う僧侶がお寺を再興したと伝えられています。
一説には、清眼僧都は夢に現れた異国人から眼病治療の秘伝の書物を授かり、お寺を眼病患者のために開放し、眼科治療を始めることになった記載されています。
実際は、輸入された中国医書を読み解き、あるいは渡来人との交流の中で眼病治療を実践していったものと推測されています。
清眼僧都の眼科治療理論は、その後、馬島流として継承されます。
名声は朝廷にも伝わり、1632年、明眼院の院号を賜ったそうです。
馬島流の創設以降、全国に眼科の名家と言われる流派が派生し、
現在の眼科学の礎を築くこととなりました。
カテゴリー
- お知らせ (12)
- ブログ (432)
- iPS細胞 (19)
- IT眼症 (9)
- OCTアンギオ (8)
- アルツハイマー病 (7)
- アレルギー性結膜炎 (5)
- お困りごと解決情報 (17)
- こんな症状が出たら (35)
- サプリメント (14)
- スタッフから (5)
- ドライアイ (17)
- 中心性漿液性網脈絡膜症 (2)
- 人工知能(AI) (14)
- 加齢黄斑変性 (104)
- 外斜視 (1)
- 抗がん剤による眼障害 (1)
- 白内障 (21)
- 看護からのお知らせ (1)
- 眼精疲労 (12)
- 糖尿病網膜症 (49)
- 紫外線 (2)
- 紫外線、ブルーライト (6)
- 網膜前膜 (3)
- 網膜剥離 (15)
- 網膜動脈閉塞 (8)
- 網膜色素変性症 (7)
- 網膜静脈閉塞 (12)
- 緑内障 (28)
- 色覚多様性 (2)
- 講演会 (28)
- 近況報告 (83)
- 近視予防 (39)
- 飛蚊症・光視症 (15)
- 黄斑円孔 (4)
- 黄斑前膜 (3)
- 未分類 (9)
アーカイブ
最新の記事
- 2025.10.11
- 散瞳検査と急性緑内障発作のリスク~瞳を広げる検査は安全なの?~
- 2025.10.3
- 飛蚊症や光が見えたら…「網膜剥離」になる前に知っておきたい目のサイン
- 2025.10.2
- 眼科疾患のリスク因子、診断・治療・予後の検討のための後ろ向き観察研究
- 2025.9.27
- 「進行は止められるのか?」─地図状萎縮の新治療と、患者たちの選択
- 2025.9.20
- 萎縮型加齢黄斑変性に治療薬「アイザベイ」
- 2025.9.12
- 見え方をデザインする白内障手術――テクニス「オデッセイ」「ピュアシー」のご案内
- 2025.9.7
- サプリメントを“医療”として正しく使う―眼科で効くもの・効かないもの、そして注意点
- 2025.9.5
- 電子処方箋がはじまります
- 2025.8.28
- 目の健康で人生が変わる:世界報告の要点と私たちにできること
- 2025.8.23
- 「注射の回数を減らしながら、見え方を守る」—VEGFを長く抑えるという発想