iPS角膜上皮再生
- iPS細胞から角膜上皮細胞を作成し、濁った角膜を透明に戻し角膜機能を再生させる治療計画が、大阪大学眼科から学内の委員会に申請され、8月22日から審査が開始されました。
- 学内の委員会で承認された後、国の審査を経て、今年度中の実施を目指しています。
- 角膜は黒目を覆う透明な膜です。
- 眼表面の重症な炎症疾患や化学薬品の飛入による炎症などの後遺症により、
- 角膜の透明性を保つために必要な角膜上皮の再生能力が失われると、
- 白目を覆う乳白色の膜が角膜表面に侵入・被覆します。
- このため、角膜の透明性が損なわれ、眼内への光の到達が妨げられ、視機能が低下します。
- 角膜の透明性を取り戻すために、現在は亡くなられた方から提供いただいた角膜を移植する手術治療(角膜移植)が行われています。
- 角膜移植は角膜提供者が不足していること、拒絶反応が起こることなどが課題です。
- 今回の治療は、他人に移植しても拒絶反応が起きにくい特殊なiPS細胞から角膜上皮のシートを作り、これを患者に移植し、安全性や機能の改善効果を検証します。
- iPS細胞を用いた臨床治療は、眼科領域では加齢黄斑変性に続き二つ目です。
- 他の領域でも心筋細胞や血小板、パーキンソン病治療細胞など、iPS細胞を用いた臨床治療が増えています。
- 治療薬の開発や病態解明の研究領域においても、iPS細胞の利用が進んでいます。
- iPS細胞が世界で初めて臨床応用されてから5年。
- 今後も医療の進歩に貢献する注目の分野です。
カテゴリー
- お知らせ (37)
- ブログ (380)
- iPS細胞 (17)
- IT眼症 (8)
- OCTアンギオ (6)
- アルツハイマー病 (7)
- アレルギー性結膜炎 (5)
- お困りごと解決情報 (17)
- こんな症状が出たら (34)
- サプリメント (12)
- スタッフから (5)
- ドライアイ (14)
- 中心性漿液性網脈絡膜症 (2)
- 人工知能(AI) (13)
- 加齢黄斑変性 (91)
- 外斜視 (1)
- 抗がん剤による眼障害 (1)
- 白内障 (18)
- 看護からのお知らせ (1)
- 眼精疲労 (11)
- 糖尿病網膜症 (39)
- 紫外線 (2)
- 紫外線、ブルーライト (6)
- 網膜前膜 (2)
- 網膜剥離 (14)
- 網膜動脈閉塞 (7)
- 網膜色素変性症 (7)
- 網膜静脈閉塞 (11)
- 緑内障 (26)
- 色覚多様性 (2)
- 講演会 (26)
- 近況報告 (79)
- 近視予防 (31)
- 飛蚊症・光視症 (14)
- 黄斑円孔 (4)
- 黄斑前膜 (2)
- 未分類 (8)
アーカイブ
最新の記事
- 2024.9.16
- AMD Expert Meeting in Fukuoka
- 2024.9.5
- アイフレイル
- 2024.9.1
- 第3回HOPE Meeting
- 2024.8.23
- 加齢に伴う21の目の変化
- 2024.8.17
- AIが光干渉断層血管撮影の画像を解析し、小さな脳梗塞を診断
- 2024.8.7
- 白内障手術は高齢者の認知機能低下や痴呆症を予防します
- 2024.8.6
- 医療DXの推進について
- 2024.8.2
- 小中学生の近視実態調査
- 2024.7.26
- メラトニンは加齢黄斑変性の発症・進行を予防
- 2024.7.20
- 眼科コメディカルセミナー2024