AI糖尿病網膜症診断機器、米国で承認
- 先週、米国食品医薬品局(FDA)は人工知能(AI)が糖尿病網膜症の画像診断を行う装置の販売を認可しました。
- この装置は、眼底カメラで撮影した眼底写真をクラウドにアップロードし、
- その画像をAIが自動解析し、糖尿病網膜症の有無や治療の必要を判定し、瞬時に結果を報告します。
- 900人の糖尿病患者を対象とした性能試験では、87%の確率で軽度以上の糖尿病網膜症を診断し、
- 90%の確率で糖尿病網膜症なし・極めて軽症の糖尿病網膜症を診断できたそうです。
- 眼底カメラは全自動で撮影が完了する簡単操作な機種を使用しており、
- 眼科医や眼科領域のパラメデイカルでなくても使用可能です。
- 今回の装置は、医者が画像や結果を解釈することなくAIのみで検査結果を出すことをFDAが認可した初の製品だそうです。
- ですから、患者が糖尿病の定期検査で受診する医療施設に眼科医がいなくても、
- 眼底カメラさえあれば、引き続き眼底写真を撮るのみでいいのか、あるいは糖尿病網膜症が進行し治療が必要となっており眼科医に紹介すべき時期に至っているかを判断できるわけです。
- 糖尿病網膜症は重症になるまで視力低下などの症状が現れず、適切な治療時期を逃す患者がおられます。
- FDAによると、米国では毎年2万4000人が糖尿病網膜症を発症し、
- その半数以上の患者が適切なタイミングで眼科医の診察を受けられなかったそうです。
- 医師の偏在が問題となっている日本では、眼科医のいない地域も多く、
- このAIシステムは遠隔地にお住いの糖尿病患者にとって朗報かと思われます。
- 糖尿病患者の視機能維持のために本装置の活躍が期待されています。
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