IT眼症
- 「目の疲れ」や「目の奥の痛み」「手元に焦点が合わない」「めまい」などを訴え、
- 長時間のパソコン作業に従事している20〜30歳代の患者さんが来院されることがあります。
- この症状はIT眼症(IT, Information Technology:情報技術)とかVDT症候群(Visual Display Terminal:画像表示端末)、あるいはテクノストレス眼症と呼ばれています。
- パソコンやテレビゲーム、スマートフォンなどの情報機器を、長時間あるいは不適切に使用することによって起こる目の病気、およびその状態が引き金となって生じる全身症状をいいます。
- IT眼症の患者さんは、遠くを見ている時には自覚症状はありません。
- 近くを見ようとすると、焦点を合わせるために働く目の中の筋肉(毛様体筋)に強い緊張が生じ、頭痛・めまい・嘔気といった症状が出現し、パソコン作業などが困難になってきます。
- このような患者さんでは、調節機能検査を行うと近くの指標への焦点合わせ機能が著しく低下しており、近くの作業が難しくなっていることがわかります。
- また、長時間のパソコン作業に従事していると、「調節けいれん」という状態になる患者さんもおられます。
- 遠くを見ても近くを見ても焦点が合いにくく、時に眼の奥の痛みや頭痛、めまいなどを伴います。
- 見えたり見えなかったり、視力が変動します。
- 調節けいれんの患者さんに調節機能検査を行うと、見ようとする距離に関係なく、毛様体筋がけいれん状態にあり、ピント調整がうまくいっていないことがわかります。
- いずれの場合も作業用眼鏡を用いるなどの治療により、調節機能は回復し、症状も改善します。
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