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急速に進行する視野欠損

  • 遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
  • 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
  • 今年最初のブログのテーマは、視野欠損が急速に拡大する場合、どんな病気が疑われるかです。
 
  • 年明け早々の外来に、裂孔原性網膜剥離の患者さんがお二人、近医からの紹介で来院されました。
  • お一人は、元旦に左眼の飛蚊症を自覚。その後、下方の視野がどんどん欠け始め、視野の中心付近まで見えなくなってしまい、近医を受診されました。
  • 受診前にご自身の症状をインターネットで検索し、緑内障だろうと思ったそうです。
   
  • ネット検索で「飛蚊症」と「視野欠損」の2つの単語を入力すると、「裂孔原性網膜剥離」に簡単に行き着きます。
  • ところが「視野欠損」のみで検索すると、「緑内障」とか「頭蓋内疾患」「視神経疾患」が出てきます。「裂孔原性網膜剥離」にはたどり着き難いです。
 
  • 裂孔原性網膜剥離では、周辺部の網膜に裂け目(網膜裂孔)ができ、ここから網膜が剥がれ始めます。剥がれた網膜は光を感じ取る働きを失い、視野欠損が生じます。
 
  • ですから、視野欠損は視野の端の方から始まり、中心側に向かって拡大します。(例外として強度近視にみられる黄斑円孔網膜剥離では、視野の中心部分から視野欠損が生じます。)
  • 視野欠損の症状は、数時間あるいは数日の間にどんどん進行していきます。(例外は10〜20歳代の裂孔原性網膜剥離で、視野欠損が何ヶ月もかけてゆっくり拡大する症例があり、この場合は視野欠損を自覚しにくくなります。)
 
  • 一方、緑内障の視野欠損は数ヶ月から数年をかけて緩徐に進みます。https://www.hikichi-eye.jp/treatment/02
  • したがって、視野欠損の自覚はあまりなく、視野がかなり狭くなって初めて気がつかれる患者さんも少なくありません。
 
  • 突然、眼痛・頭痛・嘔気・嘔吐と言った症状が起きる急性緑内障発作では、急激に見えなくなるため、視野欠損を訴えることは無いと言っていいでしょう。
 
  • 突然生じた視野欠損は、網膜動脈分枝閉塞症や網膜静脈分枝閉塞症、あるいは脳梗塞でも生じます。
  • 加齢黄斑変性では視野の中央部付近が突然見えなくなる(中心暗点)ことがあります。
  • この他に、視神経や頭蓋内の疾患などでも視野欠損を自覚することがあります。
  • 疾患毎にそれぞれ特徴的な視野の欠け方がみられます。
 
  • さて、今回の患者さんは早急に対応し、術後の経過は順調です。後遺症を残さず回復すると思います。

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