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2023年最も読まれたJAMA Ophthalmology論文ベスト10

2023年も残りわずかとなりました。

2023年、JAMA Ophthalmologyに掲載された論文のうちで、最も読まれた10編が公表されました(順位はついていません)ので、ご紹介します。

Risk of New Retinal Vascular Occlusion After mRNA COVID-19 Vaccination Within Aggregated Electronic Health Record Data

世界中で使用されているmRNA型コロナワクチン投与後に網膜静脈閉塞(RVO)の発症頻度が高まるのではという懸念を検討した研究です。その結果、mRNA型コロナワクチン投与後のRVO発症頻度は従来のインフルエンザや三種混合ワクチンと同程度であり、mRNA型コロナワクチンとRVO発症には関連性がないという結論でした。だだし、mRNA型コロナワクチン2回目投与後のRVO発症リスクは高かったと報告されています。

次は近視予防の低濃度アトロピン点眼薬についての論文が2つ

Efficacy and Safety of 0.01% and 0.02% Atropine for the Treatment of Pediatric Myopia Progression Over 3 Years: A Randomized Clinical Trial

こちらの論文では、0.01%アトロピン点眼薬で近視進行や眼軸長の延長を抑制することができ、近視予防治療薬として有効であるとの結論です。

Low-Dose 0.01% Atropine Eye Drops vs Placebo for Myopia Control: A Randomized Clinical Trial

一方、こちらの論文では、0.01%アトロピン点眼の近視進行・眼軸長延長を抑制効果は確認されませんでした。

近視の発症や進行には、色々な要因が関与しており、研究対象者の特徴によって低濃度アトロピンの効果に違いが出てくるのかと思われます。

Pulsed Oral Azithromycin vs 6-Week Oral Doxycycline for Moderate to Severe Meibomian Gland Dysfunction: A Randomized Clinical Trial

中等度〜重症のマイボーム腺機能不全に対する治療として、アジスロマイシン(週に1回1gの内服を3週間)は、従来から使用されているドキシサイクリン(1日200mgを6週間内服)と同等の治療効果を有し、かつドキシサイクリンよりも内服による胃腸障害の発生を軽減できるという報告です。

Effect of High-Dose Intravitreal Aflibercept, 8 mg, in Patients With Neovascular Age-Related Macular Degeneration: The Phase 2 CANDELA Randomized Clinical Trial

このブログでご紹介した論文がランクインです。滲出型加齢黄斑変性に対する治療薬として世界中で使用されているアフリベルセプト(商品名:アイリーア、1回投与2mg)を、1回投与8mgに増量した製品が開発されており、8mgアフリベルセプトにより治療で投与間隔の延長が可能であるという報告です。来年以降、日本でも保険診療での使用が認可されると思われます。

Performance of an Artificial Intelligence Chatbot in Ophthalmic Knowledge Assessment

チャットGPTに眼科関連の色々な質問をしたところ、その正答率は約50%で、まだ満足のできる現状ではないことが明らかになりました。特に複数選択肢問題がチャットGPTは不得意であることも浮き彫りになりました。チャットGPTに正しい情報を学習させることで克服できると期待されます。

Prevalence of Diabetic Retinopathy in the US in 2021

2021年の米国では糖尿病患者の26.43%に当たる約960万人が糖尿病網膜症を有しており、糖尿病患者の5.06%に当たる184万人が視機能に障害を有する糖尿病網膜症患者であると推測しています。これらの割合は年齢、性別、人種や居住地などにより差があることも明らかとなり、対策が急務です。

Retinal Damage After Repeated Low-level Red-Light Laser Exposure

近視進行抑制を目的に低出力赤色レーザー光を網膜に繰り返し照射する治療を両眼に5ヶ月間行い、両眼の網膜中心部の視細胞障害のため視力が低下した12歳女児の症例報告です。視力低下が生じた3ヶ月後には回復したものの、現在注目の近視治療である低出力赤色レーザー光への警鐘を鳴らす報告です。

Multidrug-Resistant Pseudomonas aeruginosa Keratitis Associated With Artificial Tear Use

ブログでご紹介した論文がまたまたランクインです。人工涙液の使用中に緑膿菌による角膜潰瘍を発症した症例の報告です。ドライアイ治療の人工涙液点眼薬には防腐剤が入っていないものがあり、点眼容器の先が目やまつ毛に触れると、細菌が点眼容器の中に入ってしまい、防腐剤入りの点眼薬と比べ、点眼容器の中で細菌が増える危険性があります。

Efficacy and Safety of a Water-Free Topical Cyclosporine, 0.1%, Solution for the Treatment of Moderate to Severe Dry Eye Disease: The ESSENCE-2 Randomized Clinical Trial

シクロスポリンという免疫抑制剤の点眼薬が、中等度〜重症ドライアイの治療に有効であるという論文です。欧米では結膜の炎症がドライアイの引き金っとなっていると考えられており、炎症反応を抑制する免疫抑制剤がドライアイの治療薬として認可されるかもしれません。現在、シクロスポリン点眼薬は重症アレルギー性への治療薬としてのみ認可されています。

最も読まれた10編は、眼科の色々な分野の研究であることがわかりますし、世界の眼科医がどんなことに注目しているのかを知ることもできます。近視予防関連が3編入っているのが今年の特徴かと思います。

次年度も旬のトピックスをご紹介したいと思います。

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