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2023年度米国眼科学会総会:網膜分科会

前回は2023年度米国眼科学会総会の話題として、緑内障分科会の講演を紹介しました。

今回は網膜分科会の講演を紹介します。

昨年、欧米や日本でもファリシマブ(商品名:バビースモ)という眼内注射薬剤が、滲出型加齢黄斑変性と糖尿病黄斑浮腫に対する治療薬として承認され、今回の網膜分科会ではファリシマブの有用性についての報告がありました。

イリノイ大学のLim先生は、滲出型加齢黄斑変性に対するファリシマブの有効性を検証した第三相臨床試験の結果を事後解析し、ファリシマブは既存の治療薬と比べ、病状の鎮静化を早期に、かつ強力にもたらすことができることを報告しました。

メイヨークリニックのBakri先生は、米国眼科学会の主導で行っているファリシマブの市販後大規模調査(Faretina-AMD study)の中間報告をしました。

この研究では、滲出型加齢黄斑変性に対しファリシマブを投与した2万8000眼近くの症例が登録されており、このうちの93%が既に他剤で加療されている症例でした。

治療薬をファリシマブへ切り替えた症例を検討した結果、他剤で治療していた時よりも、病状の鎮静化が良好で、薬剤投与間隔が延長し、少ない薬剤投与回数で治療が可能となったとのことです。

当院では滲出型加齢黄斑変性の治療経過において、薬剤の投与間隔を2ヶ月以上に延長できない症例を対象に、治療薬剤をファリシマブに変更し、その成績を報告した論文がJapanese Journal of Ophthalmologyに掲載されました。

当院の検討でも、Faretina-AMD studyと同様に、薬剤をファリシマブに変更することで、病状の鎮静化と薬剤投与間隔の延長が確認されました。

今後も各国から類似の研究結果が報告されるのではと思います。

病状の鎮静化は、長期の視機能維持・改善につながりますし、

薬剤投与間隔の延長は、治療回数・通院回数の減少をもたらし、患者負担の軽減に直結します。

患者負担の軽減は、治療からの離脱を減らし、離脱による病状再燃による視機能低下を防ぐこととなります。

結果として、長期的に滲出型加齢黄斑変性の患者様の視機能を守り、生活の質を維持することに貢献できると考えます。

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