眼科コメディカル ウェビナー2022
7月30日(土)は15時から「眼科コメディカル ウェビナー2022」と題し、Webでの講演会を開催しました。
眼科医療に従事している看護師さんや視能訓練士さんなどがご聴講いただく講演会を私が企画し、例年夏に開催しています。
コロナ感染症が流行してからの3年間は、感染予防のためWeb開催となっています。
今年は、NTT東日本札幌病院眼科の片井麻貴先生から「今さら聞けない!?緑内障診療とOCTの役割」と題し、
現在では緑内障の診断や経過観察の評価として必須検査となっている光干渉断層計検査(OCT)の解析結果の意義や読解上の留意などについてご解説いただきました。
特に聴講者がOCTの撮影を担当する看護師さんや視能訓練士さんなので、撮影上のポイントなどについてもご解説くださいました。
鹿児島大学眼科の斉之平真弓先生からは、「わかる!できる!ロービジョンケア〜初歩から後眼部疾患まで〜」と題しご講演いただきました。
ロービジョンとは、病気やけがなどのために視力が低下したり、見える範囲(視野)が狭くなっている状態です。そのため、日常生活や社会活動に不便を感じておられる方のことです。
ロービジョンケアとは、このロービジョンの方に医療・教育・職業・社会・福祉・心理などの様々な面から行われる支援の総称です。
斉之平先生のご講演では、ロービジョンケアを行う上での準備や手順、また普段の外来診療でも取り入れられるケアについてご解説くださいました。
下の写真は、ロービジョンの方の日常生活の補助となる便利グッズの一例です。
黒いしゃもじは、ご飯とのコントラストが良くなりますので、認識しやすくなり、ご飯をよそうのに便利です。
ブラシが黒い歯ブラシも同様ですね。歯磨き粉を識別しやすくなります。

道具を工夫することで、ロービジョンの方の日常生活が向上します。
便利グッズの紹介もロービジョンケアの一例です。
このような情報をロービジョンの患者さんに紹介することは、外来診療の中でもできることかと思います。
講演会は全道的に天気の良い土曜の午後でしたが、たくさんの方にご聴講いただきました。
ご講演はいずれも日々の眼科診療に直結する実践的な内容でした。
ご聴講いただいた眼科医療従事者のスキルアップにつながる講演会になったと感じております。
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