加齢黄斑変性 サプリメント
加齢黄斑変性が進行し、滲出型あるいは萎縮型といった重症型になると、視力低下や中心暗点(見ようとする部分が暗く見えない)、変視症(物が歪んで見える)といった症状が出現し、視機能が障害されます。
重症型になる前段階の加齢黄斑変性は「前駆病変」と呼ばれており、自覚症状に乏しく、症状が全く無いか、あってもわずかな歪みを自覚する程度ですので、視機能は概ね良好です。
この前駆病変は、加齢に伴う眼底の変化なので、年を重ねるに従い、どなたにも起こり得る状態ですので、前駆病変から重症型への進行防止が大切になります。
前駆病変を有する患者様に対して重症型への進行予防を目的に、
- ・ 禁煙
- ・ 緑黄色野菜の摂取
- ・ サプリメントの服用 が推奨されています。
推奨のサプリメントは、
- ・ ビタミンC
- ・ ビタミンE
- ・ ルテインとゼアキサンチン
- ・ 亜鉛
- ・ 銅 が含有されたものです。
それぞれの成分を単独で服用するよりも、全ての成分を併用することで予防効果が高まることが確認されています。
この検証を行ったのは米国国立眼研究所で、上述のサプリメントを5〜7年間服用を継続した効果が報告されていましたが、
10年間の服用継続の結果が、6月2日、JAMA Ophthalmologyの電子版に掲載されました。
その結果、長期間服用しても副作用は無く安全であり、かつ、重症型の加齢黄斑変性への進行予防効果も引き続き確認されました。
従って、今後も前駆病変を有する患者様に対しては、重症型への進行予防のために、ビタミンC・ビタミンE・ルテインとゼアキサンチン・亜鉛・銅が含有されたサプリメントの服用が推奨されます。
ただ、サプリメントの服用で、重症型に進行する症例の割合は減りますが、全員が進行しないというわけではありませんので、眼科での定期的な検査は必要です。
カテゴリー
- お知らせ (37)
- ブログ (380)
- iPS細胞 (17)
- IT眼症 (8)
- OCTアンギオ (6)
- アルツハイマー病 (7)
- アレルギー性結膜炎 (5)
- お困りごと解決情報 (17)
- こんな症状が出たら (34)
- サプリメント (12)
- スタッフから (5)
- ドライアイ (14)
- 中心性漿液性網脈絡膜症 (2)
- 人工知能(AI) (13)
- 加齢黄斑変性 (91)
- 外斜視 (1)
- 抗がん剤による眼障害 (1)
- 白内障 (18)
- 看護からのお知らせ (1)
- 眼精疲労 (11)
- 糖尿病網膜症 (39)
- 紫外線 (2)
- 紫外線、ブルーライト (6)
- 網膜前膜 (2)
- 網膜剥離 (14)
- 網膜動脈閉塞 (7)
- 網膜色素変性症 (7)
- 網膜静脈閉塞 (11)
- 緑内障 (26)
- 色覚多様性 (2)
- 講演会 (26)
- 近況報告 (79)
- 近視予防 (31)
- 飛蚊症・光視症 (14)
- 黄斑円孔 (4)
- 黄斑前膜 (2)
- 未分類 (8)
アーカイブ
最新の記事
- 2024.9.16
- AMD Expert Meeting in Fukuoka
- 2024.9.5
- アイフレイル
- 2024.9.1
- 第3回HOPE Meeting
- 2024.8.23
- 加齢に伴う21の目の変化
- 2024.8.17
- AIが光干渉断層血管撮影の画像を解析し、小さな脳梗塞を診断
- 2024.8.7
- 白内障手術は高齢者の認知機能低下や痴呆症を予防します
- 2024.8.6
- 医療DXの推進について
- 2024.8.2
- 小中学生の近視実態調査
- 2024.7.26
- メラトニンは加齢黄斑変性の発症・進行を予防
- 2024.7.20
- 眼科コメディカルセミナー2024