お酒と緑内障
緑内障の患者様から「お酒(アルコール)は飲んでもいいでしょうか」というご質問をいただくことがあります。
アルコール摂取が眼圧(目の中の内圧)や緑内障に及ぼす影響について検討した英国の緑内障研究グループの論文が、米国眼科学会の機関誌Ophthalmologyに掲載されましたので紹介いたします。
この研究では、過去に報告されたアルコールと眼圧や緑内障に関する研究を隈無く調べ、信頼性の高いデータのみを集め、多数の症例を解析することで、結果の信頼性を高める手法がとられています。
その結果、アルコールを摂取すると、一時的に眼圧は下がり、視神経への血流が増加します。
緑内障は眼圧を下げることで病状の進行を抑えることができ、また、
視神経の血流改善も病状の進行を抑える可能性があると考えられています。
ですから、適時適量のアルコール摂取は緑内障の患者様にとって決して害にはならないようです。
ただ、お酒に限らず大量の水分を一気に飲むと、眼圧が上がる危険性があります。
ほど良いペースが肝要です。
一方、長期にわたりアルコール摂取が習慣化している方は、
眼圧上昇や緑内障の発症・進行リスクが高くなるようです。
長期にわたり大量の飲酒をすると、肝臓の働きが悪くなることはよく知られていますが、糖尿病になりやすかったり、心臓や循環器系、脳、末梢神経障害など、全身の臓器に障害が現れます。
これらの全身状態の悪化が、視神経の血流を低下させたり、体内の慢性的な炎症反応により、網膜の神経組織障害が促進されるのではと推測されています。
お酒の種類と緑内障進行との関連性はなく、抗炎症作用を有するポリフェノールを多く含む赤ワインの方が安心ですという研究結果は、ないようです。
「酒は百薬の長」と言われていますので、常習性の飲酒は良くありませんが、適量のお酒は緑内障の方も安心して楽しんでいただけます。
過度の心配は要りません。
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理事長・院長