コロナ禍でウイルス性結膜炎が減少
- 2022.3.13
- ブログ
コロナ禍で急性結膜炎の患者数が通常の1/3に減っているというワシントン大学(シアトル市)からの論文が、JAMA Ophthalmologyに掲載されました。
急性結膜炎は、目が赤くなり目やにがたくさん出て、ごろごろした異物感や涙も多いなどの症状がでます。
アデノウイルスによる感染が主な原因で、ウイルスが付着した手指で目を触ることでウイルスが目の表面に感染し、急性結膜炎が生じます。
コロナ禍ではコロナウイルス感染予防のために、手指消毒の徹底やソーシャル・ディスタンスを保つために他人との接触を避けるように努めたことが、アデノウイルスによる感染症の予防にも効果があったようです。
(手指消毒の徹底やソーシャル・ディスタンスはインフルエンザの予防効果もあったことが報告されています)
実はこの論文で大変感心したのは、急性結膜炎の発生状況を調査するために、急性結膜炎に関するGoogleでの検索回数を調べたことです。
急性結膜炎に罹患しても眼科を受診しない患者さんが多数おられるため、眼科を受診する患者数が必ずしも急性結膜炎の流行状況を反映していない可能性があります。
Googleなどの検索エンジンで検索された情報の動向を調査することで、その時々の社会の興味や関心事のトレンドを知ることができます。
目が赤くなったりゴロゴロすると、これらのワードを検索する人が増えるため、検索回数の増加が急性結膜炎の流行状況を知る手がかりとなるわけです。
Google検索回数の調査の結果、急性結膜炎に関連するキーワードの検索回数はコロナ禍ではコロナ禍前と比べ1/3に減少していました。
一方、飛蚊症や光視症に関連するキーワードの検索回数はコロナ禍前後で変化がありませんでした。
飛蚊症や光視症は目の加齢性の変化が症状発現に関連しているので、コロナウイルス感染症の流行がGoogle検索回数に影響を与えることは無かったと考えられます。
検索エンジンの情報を利用して人の行動分析を行う手法は、すでに何年も前から研究に用いられており、検索エンジンの検索状況から急性結膜炎の流行の兆しを把握可能という研究報告もあります。
新たな情報を活用することで、新たな知見が得られるようになるんですね。
コロナウイルスの新規患者数は減少傾向にありますが、高止まりの状況が続いています。
手指消毒の徹底やソーシャル・ディスタンスの確保に努めましょう。
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理事長・院長