成人後の近視進行
年明けから新型コロナウイルス感染症が拡大しており、再び巣ごもりの生活が必要となってきました。
すでに2年間続いている巣ごもり生活によるパソコンやスマホの使用増加の影響なのか、20代や30代前半の方が「最近、近視が進んだようだ」と訴え、クリニックを受診されるケースが増えています。
年明け、そんな話題の論文がJAMA Ophthalmologyの電子版に掲載されました。
研究では、オーストラリア在住の20歳を対象に近視の有無や近視の程度などを検査し、近視のない516人、強度近視ではない698人を8年間経過観察し、成人後の近視の発症状況について検討しました。
その結果、近視のない516人のうち72人(14%)が8年間で新たに近視となり、強度近視ではない698人のうち261人(37.8%)が、両眼あるいは片眼が近視化していました。さらに、
・女性は男性よりも近視になりやすい、
・アジア系の人は白人よりも近視になりやすい、
・親が近視の人は近視になりやすい、
・太陽光を浴びる野外活動が少ない人は近視になりやすい、
ということが分かりました。
一般的に近視は学童期に発症・進行し、15~16歳くらいで進行が収まると報告されていますが、15~16歳以降も学業の継続や室内作業の増加などの影響で、新たに近視を発症したり、近視が進行することが知られていますが、大規模な研究がなされていませんでした。
今回の研究は、たくさんの症例を長期間観察しており、高い信頼性があり、
20歳以降も近視を発症・進行する若年成人が多く、特に日本人を含むアジア系の人や女性、野外活動が少ない人は近視になるリスクが高いことが確認されました。
学童期の野外活動が近視予防に有効であると同様に、成人後も野外活動が近視予防につながるようです。
近視の進行は、中高年になって近視に伴う目の病気の影響で視機能が低下することがあるため、成人後も近視の予防に努めるべきかと思われます。
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理事長・院長