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糖尿病網膜症患者は脳梗塞・脳出血・心筋梗塞になりやすい

令和元年国民健康・栄養調査によると、「糖尿病が強く疑われる人」の割合は男性19.7%、女性10.8%で、この10年間は男女ともにほぼ横ばいの状態です。

糖尿病は血糖値(血液中の糖の濃度)が高くなる病気で、血糖値が高いままの状態が長く続くことで、全身の細い血管(毛細血管)や太い血管に障害が起こり、様々な臓器に異常を来します。

毛細血管が障害されて血流が悪くなると、毛細血管がたくさん存在する臓器に合併症が起こります。その代表が糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経症です。

一方、太い血管では動脈硬化が進行するため、脳梗塞・脳出血、心筋梗塞、末梢動脈閉塞を発症しやすくなります。

糖尿病網膜症の初期では、網膜の毛細血管が膨らんで小さな瘤ができ、出血したり、血液の成分が周囲の網膜にしみ出したりします。

糖尿病網膜症が進行し重症化(増殖糖尿病網膜症)すると、毛細血管が詰まり血流が滞り、網膜の表面に新たな血管(網膜新生血管)が生えます。この血管が破れて目の中に出血したり(硝子体出血)、網膜新生血管が増殖膜を形成し、網膜を引っ張ることで牽引性網膜剥離が発生するため、重篤な視機能障害を招きます。

糖尿病網膜症は、糖尿病を患って5年未満で14%、15~19年後には57%の糖尿病患者さんが発症します。

視機能に重大な影響を及ぼす増殖糖尿病網膜症は、糖尿病発症後15~19年で15%の糖尿病患者さんに認められると報告されています。

さらに、糖尿病網膜症が重症化するほど、脳梗塞・脳出血、心筋梗塞、心不全を発症するリスクが高まるという研究結果が、米国眼科学会の機関紙Ophthalmologyの8月号に掲載されました。

この研究は、主に南カリフォルニア在住の7万7376人の糖尿病患者を対象に、5年間、眼底所見や血液検査、尿検査、全身状態の評価を行いました。

その結果、糖尿病網膜症を発症していない患者と比べ、軽症糖尿病網膜症患者は脳血管疾患、心筋梗塞、心不全を発症するリスクがそれぞれ1.3倍高いことが判明しました。

さらに、中等度糖尿病網膜症患者では、脳血管疾患は1.6倍、心筋梗塞と心不全はそれぞれ1.9倍、

重症糖尿病網膜症(増殖糖尿病網膜症)患者では、脳血管疾患は2.5倍、心筋梗塞は1.9倍、心不全は2.0倍、発症するリスクが高くなります。

今回の研究結果は、糖尿病が全身の毛細血管と太い血管の双方を障害する疾患であることを裏付けています。

生活習慣病の予防に努め、糖尿病に罹患しないように気を付けること。糖尿病になったら、血糖のコントロールを心がけ、合併症の予防に努めることが大切です。

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