オランダで網膜剥離が増加
オランダでの裂孔原性網膜剥離の発生頻度について、2009年と2016年を比較した論文がJAMA Ophthalmologyの電子版に掲載されました。
2009年の裂孔原性網膜剥離の発生頻度は、10万あたり18.2人、
2016年の裂孔原性網膜剥離の発生頻度は、10万あたり26.2人で、
7年間で発症頻度が44%も増加していました。
裂孔原性網膜剥離の増加の原因として、近視の増加を挙げています。
中等度から強度の近視では裂孔原性網膜剥離の頻度が高くなることが知られています。
昨今の近視の増加は、オランダだけの問題ではなく、我が国においても文部科学省の学校保健統計調査などから明らかです。
現在のところ、本邦での裂孔原性網膜剥離の発生頻度の推移に関する大規模調査はないのですが、近視の増加は裂孔原性網膜剥離の増加につながっているかもしれません。
ちなみに、裂孔原性網膜剥離は網膜に破け目(網膜裂孔)ができ、そこから網膜が剥がれてくる疾患で、通常、網膜剥離と呼ばれています。
網膜裂孔ができると、目の中の液体(液化硝子体)が裂孔を通って網膜の下に回り込み、網膜が眼球壁から剥離します。剥離した網膜の範囲は、時間とともに拡大し、視界の見えない部分が広がっていきます。
もちろん、早期の治療が肝要です。
最初の症状は、飛蚊症です。
普段から飛蚊症を自覚している方が多いかと思いますが、
注意を要する飛蚊症は、ある日突然、視界に影(あるいは濁り)が浮遊するようになります。
突然悪化した飛蚊症は早急な眼底検査が推奨されます。
カテゴリー
- お知らせ (31)
- ブログ (308)
- iPS細胞 (17)
- IT眼症 (8)
- OCTアンギオ (3)
- アルツハイマー病 (5)
- アレルギー性結膜炎 (4)
- お困りごと解決情報 (16)
- こんな症状が出たら (31)
- サプリメント (11)
- スタッフから (5)
- ドライアイ (12)
- 中心性漿液性網脈絡膜症 (2)
- 人工知能(AI) (11)
- 加齢黄斑変性 (69)
- 外斜視 (1)
- 抗がん剤による眼障害 (1)
- 白内障 (14)
- 看護からのお知らせ (1)
- 眼精疲労 (11)
- 糖尿病網膜症 (29)
- 紫外線 (1)
- 紫外線、ブルーライト (6)
- 網膜前膜 (2)
- 網膜剥離 (12)
- 網膜動脈閉塞 (5)
- 網膜色素変性症 (6)
- 網膜静脈閉塞 (6)
- 緑内障 (20)
- 色覚多様性 (2)
- 講演会 (24)
- 近況報告 (68)
- 近視予防 (22)
- 飛蚊症・光視症 (12)
- 黄斑円孔 (4)
- 黄斑前膜 (2)
- 未分類 (8)
アーカイブ
最新の記事
- 2023.3.21
- 飛蚊症と網膜裂孔・網膜剥離
- 2023.3.11
- アルコール摂取と白内障
- 2023.3.8
- 院内でのマスク着用継続をお願いいたします
- 2023.3.5
- 赤色光治療:近視進行予防
- 2023.2.26
- コロナワクチンと眼炎症性疾患
- 2023.2.19
- アムスラーチャートと滲出型加齢黄斑変性
- 2023.2.12
- 糖尿病網膜症:予防治療よりも定期検査 DRCR.netプロトコールW研究結果
- 2023.2.5
- ヒドロキシクロロキン網膜症
- 2023.1.29
- 令和5年2月1日よりオンラインでの診察予約が可能となります
- 2023.1.29
- 加齢黄斑変性とシャルル・ボネ(チャールズ・ボネット)症候群