緑内障とコーヒー
緑内障の罹病歴が長い患者様から、「私はお茶もコーヒーも一切飲みません。だって緑内障に悪いでしょ、先生?」とご質問いただくことがあります。
かつては緑内障の治療の一環として、水分摂取の制限や、お茶やコーヒーに含まれるカフェインが緑内障に良くないと考え、これらの摂取を控えるように指導する時期があったようです。
現在では、度を越した過剰摂取でなければ水分もカフェインも何ら問題がないと考えられています。
11月6日、緑内障とコーヒーに関する京都大学眼科からの報告が、米国眼科学会の関連雑誌であるOphthalmology glaucomaに掲載されました。
京都大学は2007年から、滋賀県長浜市にお住いの約1万人を対象に、生活習慣や身体データ等の情報を追跡調査する「長浜スタディ」を行っています。
今回の研究では、長浜スタディの参加者のうち、緑内障患者ではない9418人を対象に、コーヒーを飲む頻度と健康診断で測った眼圧の関係を調べました。
その結果、コーヒーを1日3回以上飲む人は、1回未満の人と比べて眼圧が平均で約0.4mmHg低く、飲む回数が1回、2回と増えるにつれて、眼圧が低下する傾向が認められました。
緑内障では眼圧が高いと病状が進行するため、治療の基本は眼圧を下げる目薬の点眼であり、眼圧は基本的に低い方が望ましいとされています。
1剤の緑内障点眼薬で眼圧が2〜3mmHg下降すると、薬剤がよく効いていると判定します。
ですから、コーヒーが持つ0.4mmHgの眼圧下降効果は治療としては不十分ですので、緑内障の予防や治療目的には勧められません。
しかしながら、眼圧上昇を懸念して緑内障の方がコーヒーを控える必要はないようです。
お好きな物を過度に控えるのはストレスの元です。ストレスは緑内障に良くないと言われています。
日常に嗜むコーヒーなら、緑内障患者さんもご安心ください。
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理事長・院長