食生活と加齢黄斑変性
「西洋風の食生活が加齢黄斑変性の発症リスクを高める」という米国の研究チームの報告が、British journal of Ophthalmologyの電子版に掲載されました。
この研究では18年間経過を追うことができた1278人を対象に、食生活のパターンと加齢黄斑変性の発症との関連が検討されました。
早期の加齢黄斑変性を発症したのは117人、著しい視機能障害が起こる進行期の加齢黄斑変性(滲出型および萎縮型)を発症したのは27人でした。
早期加齢黄斑変性の発症と食生活との間に関連性は認められませんでしたが、
進行期加齢黄斑変性の発症には食生活のパターンが大きく関与していました。
早期加齢黄斑変性は加齢に伴い多くの人で認められる変化であり、食生活の影響が少ないのであろうと推測されます。
一方、進行期加齢黄斑変性の発症には、加齢性変化を加速させ種々の要因が関与しており、その一つが日常生活でどの様な物を好んで摂取しているかなのです。
進行期加齢黄斑変性の発症リスクを下げる食べ物は、葉物野菜・豆類・鶏肉・魚やシーフード、
発症リスクを高める食べ物は、糖質の多い飲料・揚げ物・加工食肉・キャンディやスイーツ・アイスクリームでした。
これらの結果は、従来から報告されている様に
網膜の活性酸素や炎症性反応を減少させる成分を有する食物の摂取が望ましく、
逆に酸素ストレスや炎症性反応を増加させる成分を有する食物の摂取は、進行期加齢黄斑変性の発症リスクとなることを示唆しています。
食事は毎日のことですので、長年の蓄積が病気の発症に影響するのですね。
皆さんもご留意ください。
カテゴリー
- お知らせ (11)
- ブログ (469)
- iPS細胞 (19)
- IT眼症 (9)
- OCTアンギオ (9)
- アルツハイマー病 (8)
- アレルギー性結膜炎 (5)
- お困りごと解決情報 (17)
- こんな症状が出たら (36)
- サプリメント (15)
- スタッフから (5)
- ドライアイ (17)
- 中心性漿液性網脈絡膜症 (2)
- 人工知能(AI) (15)
- 加齢黄斑変性 (115)
- 外斜視 (1)
- 抗がん剤による眼障害 (2)
- 白内障 (27)
- 看護からのお知らせ (1)
- 眼精疲労 (12)
- 糖尿病網膜症 (55)
- 紫外線 (3)
- 紫外線、ブルーライト (6)
- 網膜前膜 (4)
- 網膜剥離 (17)
- 網膜動脈閉塞 (8)
- 網膜色素変性症 (7)
- 網膜静脈閉塞 (14)
- 緑内障 (35)
- 色覚多様性 (2)
- 講演会 (29)
- 近況報告 (88)
- 近視予防 (43)
- 飛蚊症・光視症 (16)
- 黄斑円孔 (5)
- 黄斑前膜 (3)
- 未分類 (12)
アーカイブ
最新の記事
- 2026.7.13
- 「プロ」とは何かを考えさせられた勉強会
- 2026.7.12
- 「最近見えにくい」は老化のサイン? 〜アイフレイルをご存じですか〜
- 2026.7.5
- STVでもお話ししましたが…夏は「皮膚」だけでなく「目」も紫外線対策を
- 2026.6.28
- 全国の眼科医が集まる「日本眼科医会代議員会」に参加しました
- 2026.6.21
- 強い近視の方は緑内障に注意? ― 日本1400万人超の大規模研究からわかったこと
- 2026.6.14
- 「視力は良いのに見えにくい」― 網膜前膜で最初に低下するのは“読む力”かもしれません
- 2026.6.6
- 見えないところこそ大切に ― 手術室の空気環境を毎年確認しています
- 2026.5.31
- 白内障手術と同時に行う「iStent inject W」とは? ─ 最近の研究から見えてきたこと
- 2026.5.24
- 網膜の神経を守る“縁の下の力持ち” ― ミュラー細胞と新しい網膜保護の考え方
- 2026.5.16
- 「治療を休むと戻らない」―糖尿病黄斑浮腫で本当に怖いこと―



理事長・院長