黒目に印刷模様?
- 2017.2.12
- 近況報告
- 先日、夜間急病センターでの診療のことです。
- 20代の女性が、両目を真っ赤にし、涙を流しながら診察室に入って来ました。
- 診ると、両眼とも白目(結膜)は真っ赤に充血し、
- 黒目(角膜)の表面には沢山の小さな傷。
- さらに幅2ミリ程の模様が黒目の輪郭に沿ってぐるっと付いていました。
- 患者さんは普段からカラコン(カラーコンタクトレンズ)を使っており、ネットで購入しているとのことでした。
- 当日は午前中から目の調子が悪く、夕方にコンタクトを外したそうです。
- 外すと逆に痛みが強くなり、涙も出るし、鼻水も。
- 夜になっても一向に良くならないため、急病センターを受診されたそうです。
- 角膜には涙を通して酸素が供給されます。
- カラコンに限らず全てのコンタクトレンズは、角膜への酸素供給を減らす傾向にあります。
- 極度の酸素不足は角膜にストレスを与え、細胞が脱落したり、炎症が起きたりします。
- コンタクト開発の歴史は、角膜への酸素供給のためのコンタクト素材改良の歴史です。
- もちろん、コンタクトと角膜の間の涙が上手く交換され、常に酸素の多い新鮮な涙が角膜上にあるように、コンタクトのフィッティングも大切です。
- 今回の患者さんはコンタクト装用時、既に角膜に傷が付いていたと思われます。
- コンタクトを外すと、コンタクトで覆われていた角膜の傷が露出します。
- 瞬きすると擦れ、傷を刺激し、痛みが増強したのです。
- 角膜に付いた模様は、カラコンの模様です。
- 国民生活センターの調査で、カラコンの模様が溶け出す製品があると報告されています。
- 模様の染料には金属や化学物質が含まれていて、炎症を引き起こします。
- 装用期間を守もって、異常があったらすぐに眼科を受診してください。
- 異常がなくても、時には眼科で検査を受けてください。
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