視覚障害認定基準の改定
- 2018.12.6
- ブログ
- 当院が入居しているビルには、とてもご高名な脳神経外科のクリニックがあり、全国各地から海外からも患者さんが来院されます。
- 脳疾患の種類や発生部位によっては、視力の低下や視野欠損などの眼科症状が現れますので、脳外科から患者さんをご紹介いただくことが多々あります。
- 先日、脳腫瘍の後遺症のために視力低下・視野欠損が生じた患者さんの「視覚障害者診断書・意見書」を記載しました。
- 視覚障害のため生活に何らかの支障を来している患者さんが、公的な助成を受けるのに必要となるのが視覚障害認定の取得です。
- この視覚障害者認定基準が大幅に変更され、今年の7月1日から運用されています。
- 日常生活での不便さをより正確に評価するために、従来の基準での問題点が改変されました。
- 従来の視覚障害の認定基準では、視力障害の判定を「両眼の視力の和」で行っていました。
- しかし実際には両目を開けて日常生活を行っていますので、良い方の目の視力で視機能レベルを評価することが妥当だと考えられています。
- 新たな認定基準では、「良い方の眼の視力」で評価するように改変されました。
- また視野障害についての評価も明確化されました。
- 従来は、視野の全体が狭くなり中心付近に見える場所が残っているタイプの視野障害への評価はしやすかったのですが、
- 加齢黄斑変性の患者さんなどに多い、視野の中心付近の障害(中心暗点や傍中心暗点)の評価ができないという問題点がありました。
- 今回の改定ではこの点についても評価方法が変更され、基準が明確となりました。
- 中心部視野障害が視覚障害認定に評価されやすい状況となりました。
- 視覚障害の認定患者は2016年度末時点で33万7997人。
- 等級は視力や視野の状況によって重い方から1~6級に区分され、
- 1級は約11万人、2級は約10万人です。
- 1級、2級が重度とされ、税制や福祉的なサービスの利用などが可能です。
- 今回、意見書を作成した患者さんは、従来の認定基準では視覚障害に該当しませんでしたが、視野障害への評価の改変により、視覚障害に該当することとなりました。
- 認定基準によって視覚障害を有する患者さんに不利益があってはいけません。しかし、見えにくさの様子は症例ごとに異なっており、日常生活での不便の度合いを正確に評価することは、簡単なことではありません。
- さらに合理的、客観的に評価できる基準作りに向け、厚生労働省の委託を受けた研究班が発足しているようです。
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理事長・院長