震災からの復興
- 6月25日(日)に仙台で加齢黄斑変性の治療について講演する機会をいただきました。
- 24日(土)の診療後に千歳空港に向かい、十数年ぶりに仙台空港に降り立ちました。
- 十数年前、まだ私が旭川医大に勤務している頃、福島県原町市(現在は南相馬市原町区)の病院に、月に一度くらいのペースで手術の応援に行っていたことがあります。
- 仙台空港からバスに乗ってJR館腰駅に行き、ここから原町に向かいます。
- 帰りはこの逆ですが、館腰駅から空港へのバスの便が少なく、天気の良い日は何度か、散歩がてら歩いて仙台空港に向かったことがありました。
- 仙台平野に広がる水田。緑豊かな光景でした。さすがは米どころ宮城。
- 空港の近くには民営駐車場が幾つかあり、車がたくさん停まっていました。
- 途中、お蕎麦屋さんに寄って腹ごしらえ。
- 一列に並んだ防風林が遠く彼方に見え、海からの風を遮っていました。
- 6年前の3月11日、三陸沖で大地震が発生し、東北地方が甚大な災害に遭いました。
- この日の3時頃、私は前任の大塚眼科病院で手術をしていました。
- これまでに経験のない大きな揺れが長く続きました。
- 夕方、手術を終えて病棟に行くと、職員が「東北が大変なことになっている」と。
- テレビには、仙台空港に向かって押し寄せる津波が映し出されました。
- 駐車場に整然と並んだ自動車が津波に飲み込まれ、あっという間に押し流されて行きました。
- とても現実とは思えない、衝撃的な光景でした。
- あんなに海から離れているのに、凄まじい勢いで津波が押し寄せて来ます。
- 底知れない自然の力を見せつけられた思いでした。
- 今回、震災後初めて仙台空港に降り立ち、以前と変わらない光景を目にすることができました。
- 以前と同じ場所に同じ民営の駐車場があり、お蕎麦屋さんも営業していました。
- 水田が広がり、緑の帯に覆われていました。
- かつてあった光景が、そのままに。
- 遠くの防風林だけは櫛の歯が抜けたように。
- 震災直後は途方に暮れたことと思います。
- 悲しみを抱えながら、瓦礫を除去し、塩害を克服し。
- 道半ばのこともまだまだ残っているようですが、人の力って、すごいですね。
- 改めてそう感じました。
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理事長・院長