中外製薬 眼科医配布パンフレット「Ask the expert in nAMD」
中外製薬株式会社のバビースモという滲出型加齢黄斑変性(nAMD)・糖尿病黄斑浮腫・網膜静脈閉塞症による黄斑浮腫に対する治療薬を紹介する眼科医向けのパンフレットが出来上がり、6月末頃から全国の眼科医への配布が開始されました。

今回のパンフレットは、「滲出型加齢黄斑変性治療のエキスパートへの質問」というタイトルで、僭越ながら私が質問にお答えした内容をまとめたものです。
滲出型加齢黄斑変性に対する治療は、血管内皮増殖因子阻害薬を目の中に、
定期的・継続的に注射することで、視力を改善させ、これを維持することができます。
継続的に長期間の治療が必要であることによる患者様の時間的負担、
薬剤は保険診療の適応ですが、薬剤が高価格であるこによる金銭的負担、さらに
外来受診にご家族のサポートを要する高齢の患者様では、ご家族にも負担がかかります。
これらの負担を軽減するために開発された薬剤の一つがバビースモです。
臨床治験では薬剤の投与間隔を16週まで延長できた症例が45.7%、12週が34.0%でした。
従来の薬剤では一般的に4週から12週間隔の投与ですので、バビースモは投与間隔を延長することができます。
私の施設で行った、従来の薬剤からバビースモに変更し投与間隔の延長を図った研究でも、病状を悪化させることなく投与間隔を延長できることが確認確認されました。
北海道の地域性から遠方から通院される患者様が多いため、患者さんやご家族の負担軽減のために、安全に投与間隔を延長することが求められます。
患者様が実感できる日常生活に支障のない視機能を維持すること、実感できる投与間隔の延長が治療の継続につながり、治療中断による視機能低下を防ぐことになります。
ところで、このパンフレットには私の似顔絵と思われるイラストがあるのですが、似てますか?

カテゴリー
- お知らせ (42)
- ブログ (398)
- iPS細胞 (18)
- IT眼症 (8)
- OCTアンギオ (6)
- アルツハイマー病 (7)
- アレルギー性結膜炎 (5)
- お困りごと解決情報 (17)
- こんな症状が出たら (34)
- サプリメント (13)
- スタッフから (5)
- ドライアイ (15)
- 中心性漿液性網脈絡膜症 (2)
- 人工知能(AI) (14)
- 加齢黄斑変性 (95)
- 外斜視 (1)
- 抗がん剤による眼障害 (1)
- 白内障 (19)
- 看護からのお知らせ (1)
- 眼精疲労 (11)
- 糖尿病網膜症 (40)
- 紫外線 (2)
- 紫外線、ブルーライト (6)
- 網膜前膜 (2)
- 網膜剥離 (14)
- 網膜動脈閉塞 (7)
- 網膜色素変性症 (7)
- 網膜静脈閉塞 (11)
- 緑内障 (26)
- 色覚多様性 (2)
- 講演会 (27)
- 近況報告 (82)
- 近視予防 (34)
- 飛蚊症・光視症 (14)
- 黄斑円孔 (4)
- 黄斑前膜 (2)
- 未分類 (8)
アーカイブ
最新の記事
- 2025.2.8
- 加齢黄斑変性と抗凝固薬
- 2025.2.3
- iPS細胞由来立体網膜シートによる網膜色素変性症治療
- 2025.1.26
- 初期・中期加齢黄斑変性に対するフォトバイオモジュレーション
- 2025.1.19
- 笑いがドライアイの治療になる
- 2025.1.13
- 後天性眼瞼下垂の点眼治療剤
- 2025.1.6
- 大阪・関西万博 大阪ヘルスケアパビリオン
- 2024.12.28
- 画竜点睛(がりょうてんせい)
- 2024.12.19
- グリシン内服が近視進行を抑制?
- 2024.12.15
- 糖尿病治療薬SGLT2阻害薬は糖尿病網膜症の進行を抑える効果がある
- 2024.12.3
- 令和6年12月27日(金) 午前・午後診察します