盛夏の網膜動脈閉塞・静脈閉塞症
今週は北海道各地で最高気温が30度超え、夜間も25度ほどで、屋内にいても熱中症や脱水症に注意しなければならない、危険な暑さが続いています。
気温が高くなると、体内の熱を発散しようと血管が拡張するのですが、汗をかくことで体内の水分と電解質が失われてしまいます。
その結果、血液が濃くなるいわゆるドロドロ血となり、血液が血管の中で詰まってしまうことで脳梗塞や心筋梗塞が発症します。
眼科では網膜を栄養している血管が詰まる網膜動脈閉塞症・網膜静脈閉塞症という病気があります。
網膜動脈閉塞症と網膜静脈閉塞症は、脳梗塞や心筋梗塞と同様に、動脈硬化や血管の狭細化がある高齢の方に起こりやすい病気です。
一般的に寒冷期に発症しやすく、寒さが刺激となり血管が収縮し、血液が濃くなるりドロドロ血となり、元々、動脈硬化や血管の狭細化が生じている方の血管が詰まってしまうのです。
ところが盛夏に起こる網膜動脈閉塞症や網膜静脈閉塞症は、若い方でも発症するようで、20代のアスリートが網膜中心静脈閉塞症を発症したという報告もあります。
夏の脱水症は年齢に関わらず、どなたも注意が必要です。
屋外でも室内でも、身体を動かす作業をしておられる方は、水分やミネラルの補給を心がけましょう。
8月中旬になると北海道は気温が下がるようです。
熱中症や脱水症にならないように気をつけ、猛暑を乗り切りましょう。
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理事長・院長