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遺伝性網膜ジストロフィに対する遺伝子治療

このブログで何度か取り上げた2017年12月にFDA(米国食品衛生局)の認可を得た遺伝性網膜ジストロフィという病気に対する遺伝子治療は、今では世界的に普及し、治療症例が増えてきているようです。

この治療の対象は、RPE65という遺伝子の異常が原因で発症するレーベル先天黒内障(レーバー先天盲)という病気で、生まれつき高度な視覚障害が生じる遺伝性網膜ジストロフィです。

RPE65という遺伝子には、網膜の視細胞が光を感じるのに必要な物質を作る際に働く酵素の情報が載っています。

この酵素が遺伝的に欠損していたり、働きが悪かったりすると、視細胞が光を感じるのに必要な物質を作ることできず、視細胞の光感受性能が著しく低下します。

FDAが認可した治療は、正常なRPE65遺伝子を特殊なウイルスに組み込んだ薬剤を、網膜下に投与することで、

異常のあるRPE65遺伝子が正常な状態に修復され、視細胞の光感受性に必要な物質の産生が回復し、視細胞の光感受性能が改善します。

既に治療後4年までの成績が報告されており、治療4年間の安全性と、網膜の光に対する感度や視野の改善が治療早期から現れ、4年間持続することが確認されています。

ただ、視力はやや改善する傾向にあるものの、明らかな改善効果は確認されていません。

Ophthalmologyの11月号に掲載されたデンマークのコペンハーゲン大学の論文では、治療が施行された23眼中9眼に、最終的には視機能に影響を及ぼさなかったものの、眼内に炎症反応が認められたと報告されています。

治療の普及、治療症例の増加に伴い、治験では認められなかった反応が報告されるかもしれません。

日本では現在、本治療の安全性と有効果を確認する治験が進行中です。

治療として厚生労働省から承認されれば、目の病気では国内初の遺伝子治療となります。

有効な治療法がなかった遺伝性網膜ジストロフィの特効療法として、日本での認可が待たれます。

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