網膜年齢が実年齢よりも高いと死亡リスクが増加
A Iが眼底画像から判定した網膜年齢が実年齢よりも高いほど死亡リスクが高まるという研究結果が、British Journal of Ophthalmologyの電子版に掲載されました。
この論文ではオーストラリアの研究チームが、約4万7000人のイギリス人から得た眼底画像を利用して、A Iに眼底像と実年齢を学習させることで、A Iに年齢別の眼底像を覚え込ませ、これに基づいて提示された眼底像の年齢(網膜年齢)を判定するシステムを構築しました。
さらに約3万6000人を対象に、眼底画像からAIが判定した網膜年齢と実年齢の差による死亡リスクを検討しました。
その結果、A Iが判定した網膜年齢と実年齢は非常に良く一致しましたが、網膜年齢が実年齢よりも高くなるほど死亡リスクが高まり、網膜年齢と実年齢の差が1歳高くなる毎に死亡リスクが2%上昇しました。
以前のブログで、動脈硬化が原因で網膜を栄養する動脈が詰まる網膜動脈閉塞症を発症した患者さんは、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞といったを動脈硬化が誘因なる病気を患った経験があったり、発症する危険性が高いことを紹介したように、網膜血管は全身の血管や血流の様子を反映していることが知られています。
また、網膜の神経組織は脳の神経疾患と類似の機序で障害を受けることも知られており、網膜を見れば全身状態がわかると言われています。
網膜年齢が実年齢よりも高く判定されたということは、網膜の加齢変化が実年齢よりも進んでいること、すなわち全身の加齢性変化が実年齢以上に進行していることを示唆していますので、網膜年齢と実年齢の乖離が死亡リスクの指標になると言う訳です。
眼底画像は瞬時に撮影ができ多くの方を検査することが可能ですので、検診などでの利用にも向いています。
将来は健診検査のひとつに網膜年齢測定が加わるかもしれません。