3歳児健診
2024.10.9 ブログ
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目の中の水晶体という透明な凸レンズが濁った状態が白内障です。
出生時に透明だった水晶体は、4歳頃から軽度の濁りが生じ、経年的に濁りが増加します。
初期の白内障では自覚症状がまったくありませんが、進行すると羞明や霧視、視力低下といった症状が現れます。
白内障の主要な原因は加齢ですが、糖尿病やアトピー性皮膚炎、強度近視、紫外線被爆なども白内障を促進させます。
白内障の予防には、眼内の活性酸素を減らし、酸化ストレスを軽減させることが有効であろうと考えられており、
ビタミンCやルテイン・ゼアキサンチンといった活性酸素を消去する物質を摂取し、白内障の予防効果を検証する研究がなされていますが、研究により結果にばらつきがあり、確証には至っていません。
現在のところ、濁った水晶体を透明な状態に戻すことはできません。
手術が唯一の治療法です。
ここ最近、進行した白内障の患者様を診察する機会が増えたように感じます(実は他の疾患も同様な傾向です)。
最近の研究で、白内障の放置が認知症の発症・進行を招いたり、日内リズに変調をきたし、睡眠障害やうつ病、動脈硬化のリスクを高めることが分かってきました。
進行した白内障は水晶体中央部分の濁りが硬くなります。手術ではこの硬い濁りを破砕し吸引・除去するのですが、柔らかい濁りと比べるとやや時間を要することとなり、目の組織への負担が高まります。
また、白内障が著しく進行すると、眼圧(目の中の圧力)が突然急激に上昇し、目の痛みや頭痛、吐き気や嘔吐などの症状がする、急性緑内障発作が起こる危険性高まります。
さらに、水晶体のタンパク質が溶け出し、目の中に強い炎症が起こることもあります。
白内障はゆっくりと進行し、徐々に視機能が低下して行くため、白内障の進行は自覚されにくいようですが、白内障の進行は視機能のみならず全身の機能に影響を与えます。
単なる老化現象だからと白内障を侮ってはいけません。
見え方に違和感を感じる方は、時期を見計らって眼科での検査を受けられてはいかがでしょうか。