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「緑内障による視機能障害を防ぐために今日からできる10項目」と題した記事が、米国眼科学会のホームページに掲載されました。
緑内障は、脳に眼からの視覚情報を伝える視神経が徐々にダメージを受ける病気で、症状を自覚した時には既に視機能障害が重篤になっている患者さんが多い疾患です。
残念ながら緑内障の視機能障害を回復させる治療法は現時点ではありませんが、眼圧を適切にコントロールする治療で、重篤な視機能障害や失明を防ぐことができますので、定期的な診察が視機能の保持につながります。
10項目の第1は早期発見です。緑内障のリスクがある方(家族に緑内障患者がいる、40歳を越えた、眼外傷の既往のある、強度近視など)は眼科を受診し、定期検査を行い、緑内障が早期の段階で治療を開始することが勧められます。
第2はステロイド薬を使用している方は眼科医に相談を。長期間のステロイド薬使用は眼圧が上昇する危険性があります。特に緑内障患者さんはそのリスクが高まります。内服薬のみならず、ステロイド剤の塗り薬を目の周りに塗布することも眼圧上昇の危険性があります。眼圧上昇は緑内障の発症や進行につながります。
第3は野菜や果物を毎日食べること。ビタミンやミネラルが豊富な食物を摂取することは身体や目を健康に保ち、緑内障の予防にも有効です。
第4は運動をすること、でも注意すべきことがあります。心拍数が過度に上昇する過激な運動は眼圧を上昇させる危険性があります。逆に早歩き程度の運動は眼圧を下降させます。筋トレで、バーベルやダンベルを持ち上げる時は、正しい呼吸法をトレーナーに教えてもらうようにしましょう。
第5は外傷から目を守る。外傷は緑内障を誘発します。スポーツや庭仕事の際には保護眼鏡の装用をお勧めします。
第6は頭を低くする姿勢を避ける。頭が心臓よりも低い姿勢が長時間持続すると、眼圧が上昇します。進行した緑内障患者さんは、ヨガの頭を低くするポーズを避けることが望まれます。
第7は正しい姿勢での睡眠。うつぶせ寝などで枕や腕で目を圧迫するのは避けるべきです。睡眠時無呼吸症候群は緑内障の発症や進行を促す危険因子です。イビキがひどい方や睡眠中に呼吸が止まる方は、睡眠時無呼吸症候群の検査を受けることをお勧めします。
第8は日差しから目を守る。紫外線が緑内障の発症に関与するのではという研究報告があります。外出時には紫外線カットのサングラスや帽子を。
第9は口腔内を清潔に保つことです。歯周病が緑内障患者さんの視神経障害に関与すると報告されています。歯磨きとデンタルフロスで行い、歯科医に定期受診し口腔内のチェックを。
第10は、高血圧治療薬を内服している方は夜間低血圧に注意です。もし睡眠中に血圧が下がりすぎると緑内障による視神経障害が悪化します。夜に高血圧治療薬を内服していて、頭がボーとしたり、ふらつく等の症状のある方は内科医にご相談ください。決して自己判断で中止してはいけません。
米国眼科学会のホームページの内容をできるだけ分かりやすく和訳しました。
日常診療ではお伝えできない具体的な内容が記載されていると思います。