診療予約専用 011-788-2210

お問い合わせ 011-708-1010

月~土 午前 9:00~12:00/月・木 午後 14:00~17:30
手術日 火・金の午後 / 休診日 日曜・祝日

交通アクセス [札幌駅徒歩3分]
交通アクセス

閉じる

ウェブ予約

ドラッグデリバリーシステムと黄斑部毛細血管拡張症

ドラッグ・デリバリー・システムとは、薬剤を的確に体内に届けるための方法です。

従来の内服や注射、あるいは点眼といった投薬方法よりも効率よく薬剤を体内に届けることで、薬剤効果を最大限に高め、副作用を最小限に抑えることを目的とした技術です。

今年に入り、網膜疾患治療のためのドラッグデリバリーシステムがいくつか報告されています。

今年2月、米国の厚生労働省に相当する食品医薬品局(FDA)は、2型特発性黄斑部毛細血管拡張症に対する治療薬として、Neurotech社が開発した新たなドラッグデリバリーシステムの薬剤を承認しました。

2型特発性黄斑部毛細血管拡張症は、40〜50歳の欧米人2万人に一人位が発症する比較的まれな疾患ですが、網膜中心部である黄斑が両眼性に徐々に障害され、視機能障害が進行します。

黄斑部の視細胞などの網膜細胞が障害され、網膜構造が損なわれ、その結果、黄斑部毛細血管が変性します。

現時点では確立された有効な治療法はありません。

Neurotech社が開発した薬剤は、小さな物質やイオンのみが通り抜けることができる半透膜と呼ばれる薄膜で出来たカプセルの中に網膜色素上皮細胞が封入されています。

この薄膜カプセルを目の壁に埋め込みます。

網膜色素上皮細胞は、毛様体神経栄養因子という網膜細胞を保護し機能を維持する作用のタンパク質を分泌します。

薄膜カプセルの薬剤から持続的に毛様体神経栄養因子が眼内に放出され、黄斑部の網膜細胞を保護し、2型特発性黄斑部毛細血管拡張症による障害の進行を抑制することが可能です。

本薬剤はこれまで治療法がなかった2型特発性黄斑部毛細血管拡張症に対する治療薬であるという点において秀逸であるのみならず、

細胞が作り出すタンパクを薬剤として用いる点

斬新なドラッグデリバリーシステムであることなど、創薬のアイデアに感心させられます。

2年前の米国眼科学会で、本薬剤で加療した2型特発性黄斑部毛細血管拡張症48眼の2年成績が報告され、視機能の維持や網膜構造障害の進行抑制などの効果が確認されています。

現在、さらに大規模な検証研究が行われており、2021年に評価が出る予定とのことです。

カテゴリー

アーカイブ

最新の記事

2024.10.9
3歳児健診
2024.10.3
近視の進行を抑える低濃度アトロピン点眼 
2024.9.26
視能訓練士の知名度アップを目指して
2024.9.16
AMD Expert Meeting in Fukuoka
2024.9.5
アイフレイル
2024.9.1
第3回HOPE Meeting
2024.8.23
加齢に伴う21の目の変化
2024.8.17
AIが光干渉断層血管撮影の画像を解析し、小さな脳梗塞を診断
2024.8.7
白内障手術は高齢者の認知機能低下や痴呆症を予防します
2024.8.6
医療DXの推進について

ひきち眼科HIKICHI EYE CLINIC 理事長・院長引地 泰一

〒060-0807 北海道札幌市北区北七条西5-7-1札幌北スカイビル14階
JR札幌駅西口、または北口から徒歩3分
ヨドバシカメラ様より北向かいのビルの14階になります。

診療予約専用011-788-2210

お問い合わせ011-708-1010

受付時間
診療受付
9:00~12:00 -
14:00~17:30 - - -

▲は手術日になります。また日曜・祝日は休診となります。