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アカントアメーバ角膜炎

世界で最も権威のある医学誌「New England Journal of medicine」の7月19日号に、アカントアメーバ角膜炎の症例報告が衝撃的な写真とともに掲載されました。

患者は英国在住の41歳女性で、2カ月間、左目の痛みやまぶしさ、見えづらさを感じ、眼科専門病院を受診しました。

右眼は正常でしたが、左眼視力は0.1(眼鏡矯正不能)に低下しており、白目(結膜)や瞼の裏は真っ赤に腫れ、瞼を開けているのがやっとの状態でした。

写真は損傷を受けた黒目(角膜)が染色液で蛍光色に染まっています。角膜の半分以上が広く損傷を受けています。

病変部からアカントアメーバという海や湖、水道水、土壌や公園の砂などに広く存在している微生物が検出され、アカントアメーバによる角膜感染症と診断されました。

アカントアメーバ治療の特効薬はなく、少しでも効果のある抗真菌薬や消毒薬を点眼し、角膜の表面を削るなどの治療法を併用しますが、極めて治りにくいのが特徴です。(日本眼科学会ホームページ参照)   

今回の患者さんは、アカントアメーバの感染症は治まったものの、角膜が白濁してしまい、角膜移植を受け、視力がわずかに改善するに止まったそうです。

ではなぜ、この患者さんの角膜がアカントアメーバに感染してしまったのでしょうか?

患者さんは使い捨てコンタクトレンズを使用していて、シャワーを浴びる時もプールで泳ぐ時もつけっぱなし。そのため水中に生息するアカントアメーバに角膜が感染してしまいました。

誤ったコンタクトレンズの使用が重大な視機能障害をもたらしました。


下記はアキュビューコンタクトのホームページの一節です。

「プールなどの水回りには雑菌が多く生息しています。雑菌は水と一緒に目に入ってきますが、コンタクトレンズを装用した状態と裸眼とでは目の状態が異なります。

私たちはまばたきを繰り返すことで、目の雑菌を洗い流しています。また涙には抗菌作用のある成分が含まれており、目の感染を防ぐ働きがあります。しかし、コンタクトレンズを装用していると、涙の洗浄作用が弱くなり、細菌の繁殖をゆるしてしまう可能性があるのです。コンタクトレンズを装用したまま、海やプールに入ると、目の健康を損なう可能性があります。コンタクトレンズをはずしてしまうと良く見えないという方は度入りのゴーグルを使用することをおすすめします。」

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