目を冷やすべきか?温めるべきか?
- 時々、患者さんからこういった質問をいただきます。
- 質問してくださった患者さんの状況は様々ですので、その都度状況にあったお答えをしていますが、多くは次のような場合です。
- 1.“ものもらい”(麦粒腫・霰粒腫を北海道ではこのように呼んでいます。
- まぶたの炎症により、腫れたりシコリができる病気です)のような
- 突然起こった炎症
- 2.眼精疲労
- 3.ドライアイ
- 1.の場合は、炎症を抑えるために目を冷やす方が良いです。
- 冷却は炎症の増強・波及を抑える効果があります。
- 2.眼精疲労の場合は、ピント合わせをする目の中の筋肉が過労により
- “凝り固まって”います。この凝りを和らげるために、
- 目を温め、血の巡りを良くする(循環改善)ことが有効です。
- 仕事や日常生活で眼は酷使されていますので、
- 習慣として継続することが大切です。
- もちろん、度数の合った近用眼鏡の使用など、
- 目の負担を軽減させる工夫も必要です。
- 3.もう一つ、目を温める(温罨法)ことをお勧めする疾患がドライアイです。
- まばたきをすると涙の膜(涙膜)が目の表面を覆います。
- 涙膜の蒸発を抑えるために涙膜の表面は油の膜でコーテングされています。
- この油の膜を作るのが、まつ毛の根元付近に開口部があるマイボーム腺です。
- 作られる油は固まりやすく、マイボーム腺をつまらせます。
- その結果、涙膜は蒸発しやすくなり、涙膜の安定性が低下し、
- ドライアイとなります。
- 目を温め、油を溶かし、マイボーム腺のケアを行い、
- まつ毛の根元を清潔に保つことで、涙膜が安定化します。
- 温罨法を習慣として継続することが大切です。
- いずれの場合も、自覚症状を和らげるための補助手段です。
- 急性の炎症の場合は、抗菌薬での治療が必要になります。
- ドライアイでは点眼薬による治療・管理が大切ですので、
- 気になる症状がございましたら眼科医にご相談ください。
カテゴリー
- お知らせ (9)
- ブログ (414)
- iPS細胞 (18)
- IT眼症 (9)
- OCTアンギオ (8)
- アルツハイマー病 (7)
- アレルギー性結膜炎 (5)
- お困りごと解決情報 (17)
- こんな症状が出たら (34)
- サプリメント (13)
- スタッフから (5)
- ドライアイ (16)
- 中心性漿液性網脈絡膜症 (2)
- 人工知能(AI) (14)
- 加齢黄斑変性 (100)
- 外斜視 (1)
- 抗がん剤による眼障害 (1)
- 白内障 (19)
- 看護からのお知らせ (1)
- 眼精疲労 (12)
- 糖尿病網膜症 (44)
- 紫外線 (2)
- 紫外線、ブルーライト (6)
- 網膜前膜 (3)
- 網膜剥離 (14)
- 網膜動脈閉塞 (7)
- 網膜色素変性症 (7)
- 網膜静脈閉塞 (11)
- 緑内障 (26)
- 色覚多様性 (2)
- 講演会 (27)
- 近況報告 (82)
- 近視予防 (39)
- 飛蚊症・光視症 (14)
- 黄斑円孔 (4)
- 黄斑前膜 (3)
- 未分類 (9)
アーカイブ
最新の記事
- 2025.6.9
- 糖尿病黄斑浮腫に対する抗VEGF治療が効きにくい時、網膜前膜がカギかもしれません
- 2025.6.2
- テレビ・新聞で話題に!スマホやPC作業による“目の不調”、ご存じですか?
- 2025.5.27
- 「加齢黄斑変性」と“炎症”の深い関係
- 2025.5.21
- 「近視」と血液の関係? 血中成分からわかる“近視のなりやすさ”?
- 2025.5.11
- 「目の健康に!オメガ3脂肪酸が加齢黄斑変性(AMD)を防ぐかも?」
- 2025.4.30
- 小児近視進行抑制治療(リジュセア®ミニ点眼液0.025%)に関するよくあるご質問
- 2025.4.30
- 低濃度アトロピン点眼薬(リジュセアミニ点眼液)による近視進行抑制治療を開始します
- 2025.4.27
- 小児近視に対する赤色光治療に関する最新研究のご紹介
- 2025.4.23
- 新生血管型加齢黄斑変性の治療間隔ってどうやって決めてるの?
- 2025.4.15
- 糖尿病の“見えない”網膜の変化をキャッチする新技術