AIが眼科医を助ける時代が、すぐそこまで来ています
先日、私が毎年企画している勉強会「HOPE meeting」を開催しました。
今年で5回目になります。
毎年、「今、一番面白い」と思うテーマを選び、その分野の第一人者の先生お二人に札幌まで来ていただいています。
今年のテーマは、AI(人工知能)でした。
正直に言うと、数年前までは私自身も「AIはまだ未来の話だろう」と思っていました。
ところが今回のお二人のお話を聞いて、「もう未来ではない」と感じました。
東北大学の横山悠先生は、AIを使って目の病気を診断する技術だけではなく、驚くような取り組みを紹介してくださいました。
例えば、小型のスリットランプを使って離れた場所でも眼科診療を受けられる仕組みや、眼底写真から全身の病気を見つけようという研究です。
「目を診ることが、全身の健康を診ることにつながる。」
そんな時代が、本当に来るのかもしれないと感じました。
さらに印象的だったのは、研究を論文で終わらせるのではなく、実際に地域医療へ役立てる仕組みまで作っておられることでした。
研究を社会に届けることは大変難しく、その行動力には本当に驚かされました。
自治医科大学の高橋秀徳先生のお話も、とても実践的でした。
緑内障の患者さんなら経験があると思いますが、視野検査は決して楽な検査ではありません。
時間もかかりますし、その日の体調によって結果が変わることもあります。
その課題を解決しようと、高橋先生はOCT画像から視野を推測するAIを開発されました。
しかも、ご自身で会社まで立ち上げ、すでに製品として世の中へ送り出しているのです。
研究者であるだけでなく、「患者さんに使ってもらえるものを作る」という熱意が、とても印象に残りました。
もちろん、AIが眼科医に代わるわけではありません。
患者さんのお話を聞き、診察し、治療方針を一緒に考えるのは、これからも医師の仕事です。
しかしAIが加わることで、
「見落としを減らす」
「診断をより正確にする」
「患者さんの負担を軽くする」
そんな未来が少しずつ現実になっていることを実感しました。
講演後はお二人の先生と食事をご一緒しました。
講演では聞けなかった開発の苦労話や、研究に対する思いなども伺うことができ、とても有意義な時間でした。
実は、こうした懇親会でのお話から学ぶことも少なくありません。
私は毎年、このHOPE meetingを企画しています。
理由は一つです。
「北海道にいても、日本の最先端を学べる場を作りたい。」
その時代に最も注目されるテーマを取り上げ、第一線の先生のお話を直接伺う。
それが巡り巡って、ひきち眼科へ通ってくださる患者さんに、より良い医療として還元できればと思っています。

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理事長・院長