4,000km離れた場所から網膜手術! 遠隔操作ロボットによる新しい眼科医療
2026.10.25 ブログ
診療予約専用

お問い合わせ

月~土 午前 9:00~12:00/月・木 午後
14:00~17:30
手術日 火・金の午後 / 休診日 日曜・祝日
閉じる
突然、片目がかすむ、見たいところがぼやける、線がゆがんで見える。
このような症状の原因の一つに「網膜静脈閉塞症」があります。
網膜静脈閉塞症は、目の奥にある網膜の静脈が詰まり、血液や水分が血管の外へ漏れ出す病気です。
ものを見る中心部分である「黄斑」に水分がたまると、黄斑浮腫というむくみが生じ、視力が低下します。
今回紹介する研究では、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫に対して、抗VEGF薬のアフリベルセプトを使用した三つの大規模臨床試験のデータが改めて解析されました。
ここで大切なのは、この研究が調べた期間は、単に「網膜静脈閉塞症と診断されてから」ではなく、「網膜静脈閉塞症による黄斑浮腫と診断されてから、最初の注射治療を受けるまで」だったという点です。
研究では、黄斑浮腫と診断されてから1か月以内に治療を始めた患者さんと、それより後に治療を始めた患者さんの経過が比較されました。
その結果、網膜中心静脈閉塞症でも網膜分枝静脈閉塞症でも、早く治療を始めた患者さんの方が、治療後の視力改善が大きい傾向にありました。
網膜中心静脈閉塞症を対象とした試験の一つでは、治療開始から24週後の視力改善は、診断後1か月以内に治療を始めた患者さんで平均19.8文字(視力表で約4段階の改善)、3か月を超えてから始めた患者さんでは平均11.9文字(視力表で約2段階の改善)でした。
興味深いのは、治療を始める時期が遅くても、OCT検査で見た網膜のむくみ(黄斑浮腫)はしっかり改善していたことです。
つまり、見た目にはむくみが引いても、視力は同じようには戻らないことがあるのです。
黄斑は、カメラでいえば最も大切な中心部分です。
むくみが長く続くと、網膜の神経や光を感じる細胞が傷つき、あとから水分を取り除いても、機能が十分に回復しない可能性があります。
研究でも、黄斑浮腫が長く続くことが、元に戻りにくい網膜障害につながる可能性が示されています。
また、治療前の視力が悪かった患者さんほど、治療後の「改善幅」は大きくなりましたが、最終的な視力は、治療前から比較的よく見えていた患者さんの方が良好でした。
「悪くなってから治療した方が、たくさん改善する」という意味ではありません。
視力が大きく下がってから治療すると、ある程度は回復しても、もとの良好な視力まで戻らないことがある、ということです。
今回の研究から読み取れるのは、黄斑浮腫があり、視力に影響が出ている場合には、早急に治療を開始することが大切ということです。
急に見えにくくなった、片目がかすむ、ものがゆがむといった症状がある場合には、早めに眼科を受診し、黄斑浮腫の有無を確認することが、視力を守る第一歩です。