HTBでもお話しした「白内障」~これからの日本でますます大切になる目の健康~
先日、HTBの取材を受け、「白内障」をテーマにした番組が放送されました。
番組では、白内障とはどのような病気なのか、初期症状、手術を受けるタイミング、紫外線対策などについてお話しさせていただきました。
残念ながら放送時間は当院の手術日と重なっていたため、私自身は見ることができませんでしたが、翌日の診療で嬉しい出来事がありました。
前日に白内障手術を受けられた患者さんが診察室に入るなり、
「先生、昨日テレビに出ていましたね!」
と笑顔で声を掛けてくださいました。
地域の皆さんに白内障という病気に関心を持っていただけたことを、大変うれしく感じました。
そんな中、ちょうどタイミングよく、白内障に関する興味深い研究が国際医学誌BMJ Open Ophthalmologyに掲載されました。
その研究では、日本の白内障手術は今後さらに増加し、2050年には年間約286万件に達すると予測されています。
現在より約70%も増える計算です。
「日本は人口が減っているのに、なぜ白内障手術は増えるの?」
そう思われる方もいらっしゃるでしょう。
その理由は、高齢化です。
白内障は加齢によって起こる病気で、特に70歳代、80歳以上の方で急激に増えます。
人口は減っても、高齢者の割合は今後さらに増えるため、白内障手術を必要とする方は増え続けると考えられています。
さらに研究では、地方では眼科医の数が十分に増えず、一部の地域では減少する可能性があることも示されました。
その結果、将来的には手術までの待機期間が長くなったり、地域によって医療格差が広がったりする可能性があると予測されています。
こうした研究を読むと、改めて感じることがあります。
白内障は「見えなくなってから考える病気」ではなく、「見え方が変わり始めた時点で相談する病気」だということです。
「視力は1.0だから大丈夫」と思っていても、
・夜の対向車のライトがまぶしい
・雨の日に歩きづらい
・テレビの字幕が見えにくい
・メガネを作り直しても見え方が改善しない
といった症状は、白内障の初期から現れることがあります。
また、「視力が0.8あるからまだ手術は早いですよね?」という質問もよくいただきます。
しかし現在では、手術のタイミングは視力の数字だけでは決めません。
夜間運転が怖くなった、読書がつらい、趣味を楽しめないなど、
生活の質(QOL)が低下しているかどうか
を大切にしています。
私は患者さんによく、
「私たちは視力を手術するのではなく、患者さんの生活を手術しています。」
というお話をしています。
白内障手術は、日本で最も安全性が高く、満足度の高い手術の一つです。
だからこそ、「まだ早い」「もう少し我慢しよう」と自己判断するのではなく、見え方の変化を感じたら早めに眼科で相談していただきたいと思います。
今回、HTBを通じて地域の皆さんへ情報をお届けできたかと思います。
これからも、ひきち眼科では最新の医学的知見を診療に生かしながら、一人ひとりの患者さんにとって最も良いタイミングで治療を受けていただけるよう努めてまいります。
「最近、なんとなく見えにくい。」
そんな小さな変化こそ、眼科を受診するサインかもしれません。ぜひお気軽にご相談ください。
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理事長・院長