白内障手術は高齢者の認知機能低下や痴呆症を予防します
2019年の調査(Global Burden of Disease Study)では、全世界で5740万人が痴呆症を患っており、2050年には約3倍の1億5280万人に増加すると予測されています。
現時点では痴呆症に対する有効な治療法がありませんが、発症を促進させる要因を減らすことが、痴呆症の発症予防につながることが知られています。
また、視機能の低下が認知機能の低下を加速させ、痴呆症の発症を高めることが確認されており、痴呆症の患者さんの32.5%が視機能障害を有していたという報告があります。
白内障は透明な水晶体が濁り、視機能に影響を与える疾患ですが、手術で完治します。
白内障手術は、安全で有効な手術として先進国では普及していますが、
全世界では白内障が高齢者の視覚障害の原因のトップです。
白内障手術と認知機能の低下や痴呆症との関連性を解明するために、シンガポールの研究チームが、24編の論文を総括し研究対象者約55.8万人を検討した論文が米国眼科学会の機関誌Ophthalmologyに掲載されました。
その結果、白内障手術を受けることで、白内障手術を受けなかった場合と比べ、長期的な認知機能低下を25%減らすことができることが明らかとなりました。
さらに白内障手術を受けることで、白内障に罹患していない健康な人と同程度の長期的な認知機能低下に止まることも確認されました。
認知機能の低下がない人が白内障手術を受けると、認知機能が軽度改善することも確認されました。
以上の結果から、白内障手術は認知機能の低下と痴呆症の発症リスクを低下させること、白内障による視機能低下が認知機能を低下させることが確認されました。
見えづらさを我慢していると認知機能にも影響が出てしまいます。
生活の質を保つためにも、視機能の維持に努めましょう。
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理事長・院長